第6話

 満里奈は家に帰った。

「あっお父さん、お見合いした人、覚せい剤販売の元締めなんですって」

「どっちの方だ」

「公認会計士の方」

「どうしてわかったんだ」

「麻薬取締官って言う人が教えてくれたの」

「早くにわかって良かったなあ」

「世の中何が起こるかわからないね」

「もう一人はだいじょうぶだろうな」

「ちゃんと調べないといけないわね」

「満里奈調べなさい」

「うん」

 満里奈は竹内哲夫に電話を掛けた。

「こんにちは西田です。今日は、お願いがあって電話をしました。お願いと言うのは、竹内さんが陶器をお作りになっているところを、見せて頂きたいと言うことです」

 満里奈は竹内が本当に陶器を作るか、この眼で見て確かめようと思った。

竹内の家は砂茶屋と言う所にあった。

「何を作りましょうか」

「湯飲みを作ってください」

 竹内は器用にあっと言う間に作った。

「絵付けですけど、あかはだ焼きは乳白色の無地とやまと絵と言うかわいらしい絵の2種類有りますけど」

「両方とも作ってください」

 満里奈は絵付けが終わるまで目を皿にして確かめた。竹内は陶器製作者で間違いなかった。

 この事で竹内は満里奈を随分積極的だなあと誤解した。

 竹内は畳みかけるのが良いと思った。

「できあがったらお持ちしますよ」

「いえ、送って頂いたら」

「どうせ暇ですから、福山と言う町も見てみたいですから」

「何日でできあがるんんですか」

「3週間でできあがります」

「でしたら9月5日の金曜日はいかがですか」

「ええ、いいですよ」

「じゃあ、9月5日にお待ちしています」

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