第3話

 なるだけ多くの相手と話がしたいと、誰もが思っていた。ところが、満里奈のテーブルには、いっぺんに3人もの男性が並んだのだった。

 最初の男性は地方銀行経理部32歳。二人目は陶器製作所の息子31歳。三人目は公認会計士33歳。

 パーティーは3時30分に終了した。これから急いで福山に帰らなければならない。新幹線の中で検討会を開いた。地方銀行は、転勤があるので止めた。公認会計士と陶器製作所のふたまたを掛けることにした。

 ところが、翌7日に陶器製作所から電話があった。

「昨日はありがとうございました。私陶器製作所の竹内哲夫と申します」

「はい、昨日はありがとうございました」

「できましたら、ゆっくりお話がしたいのですが」

「ちかぢか奈良へ行こうと思っているのですが・・・」

「いえ、私が福山に行きます。今週の西田様のご都合の良い日に行きます」

「では、20日の日曜日の12時に新倉敷でお会いしましょう。」

「もう少し早くお会いできませんか、13日の日曜日はいかがでしょう」

「ちょっと考えてみます。それでは13日の日曜日の12時に新倉敷駅前の「新倉敷グランドホテル」の喫茶室でお会い致しましょう」

 電話を切った。疲れた。

 ところが、すぐに公認会計士から電話があった。

「この間はありがとうございました。公認会計士の雨宮健司でございます。西田様ととても楽しい時間を過ごすことができました。

「近々お会いできませんでしょうか」

「いつ頃でしょうか」

「13日の日曜日はいかがでしょうか」

「ヒエーッ」

「どうされました」

「ちょっと都合が悪いんですが」

「わかりました、20日の日曜日はいかがですか」

「だいじょうぶです。それでは20日の日曜日の12時に新倉敷駅前の「新倉敷グランドホテル」の喫茶室でお会い致しましょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る