第9話 ツンデレさんなんですか?
結局、家具店を周り適当に家具などを見繕い、チェーン展開している外食レストランで食事を摂ったあと、新しい住居となる家に着いた頃には、午後23時を過ぎていた。
家では電気代節約ということで、21時頃には寝ていたので正直言って睡魔は限界に達していた。
さらに、久しぶりの外食という事もあり半年ぶりのお肉を食べた事で、私の満腹中枢神経は満足してしまったらしく、神社に到着する前に意識は途絶え途絶えに!
「宮内さん」
何だか私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
でも、眠くて上の瞼と下の瞼が仲良しになってしまっていて、意識も朦朧としていて反応できない。
「高槻様、どうしましょうか?」
「まったく――。こいつは……。櫟原、購入してきた布団があったな?」
「はい」
「それをコイツが寝泊まりする部屋まで運んでくれ」
「そうしますと――」
「コイツは俺が連れていく。一応は、この俺に嫁入りするという事になっているからな。別の男が抱き上げていたら色々と不味いだろう?」
「分かりました」
――そんな会話がされていたのを私は寝ていたから気が付くことは無かった。
そして……。
――翌朝。
「ここは……」
私は、ぼーっとしたまま部屋の中を見渡す。
そして自分が布団の中に入って寝ていることに気が付くと同時に、自分が寝ていた部屋が、アパートでは無い事にハッ! として思い至る。
「ここって……、神社の母屋だよね……」
一人呟きながら、自身の身嗜みを確認するけれど着ているのは学生服で、スカートなどに皺が出来てしまっている。
「ああっ……」
クリーニング……。
絶望! うちにはアイロン掛けは、お母さんが使っていたのが壊れてから無かった。
大家の藤田さんから借りていたけど、借りられる距離じゃないし……。
「どうしよう……」
「起きたか」
両手で頭を抱えていると、二人の男が襖を開けて入ってくる。
「宮内さん、起きられましたか?」
そう紳士的に語り掛けてきたのは櫟原さん。
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