第7話
仔竜が少し変わったのは、もっと成長してからでした。
投げつけられる言葉の痛みを熟知した仔竜は、言葉を大事にするようになりました。
仔竜が生活をするその地域の言葉はとても美しいものでした。
言葉は言霊。強い意志を込めた言葉は運を運んでくると知りました。
己には縁遠いものであろうとは思えど、言葉の世界に魅了されたのは、仔竜にとっては利そのものでした。
ペンは剣より強し。
仄暗い癒しの中で見つけた事ができたのは、親竜の舌力の偉大さからでした。
他の竜を寄せ付けぬ語彙力、論法は、荒れた言葉を使うわけでもないのに、他の竜からはぐうの音も上がらないのです。
やはりこの竜は凄いのだ。
心からの自慢になりました。
少しずつ、歪な形をしていた仔竜の心は、
まともな竜に紛れる事ができる程度に修復されました。
再び変形するのは数年後の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます