第4話(少し暗い)

親竜はとても賢く、強い竜でした。

そして何より努力の竜でした。


他の竜より飛び抜けて綺麗で、

他の竜より飛び抜けて頭が良くて、

努力を怠らず、できないこともほぼなくて。

でも驕る事なく進む姿勢を仔竜はいつも見ていました。


努力すれば親竜のように、

強く賢く美しく、他に愛してもらえるのか。

学んだ仔竜は自分のできうる限り努力してみました。


どれをとっても上手にできないことに絶望したのも、その時でした。


超える壁が大きすぎるのも、良くないよね。

苦笑したのは後の仔竜。

一つ一つ目標を決めて、出来ていれば違ったかもしれない。でも目の前の親竜は軽くやってみせるんだ。


勿論親竜は言っていたのです。

「練習しないとできないよ。」と。


負けず嫌いの仔竜は悔しくて悲しくて。

言って欲しかったのは、そうじゃない。

「ここまでは出来たね」そう言って笑って欲しかった。






私は出来ない仔。

自分にレッテルをつけたのはその時でした。

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