第2話

仔竜が一匹で探検できるようになった頃。

親竜は仔竜に『一匹で外に出ないように』言いつけました。


外はとても魅力的。

キラキラするあれはなんだろう?

今あっちに移動したやつ、気になるなぁ。


仔竜はとても好奇心旺盛。

お家の中でもギリギリライン、後一歩足を踏み出せばお外と言う場所で、あっちを向いて、こっちを向いて。

ちっちゃいながらに伸びた尻尾はそれに応じてゆらゆら揺れます。


そんな折。親竜が目を離した隙がありました。

親竜の心配なんて何処吹く風。

仔竜は冒険に旅立つのです。


トコトコ、トコトコ。歩いて歩いて。

トコトコ、トコトコ。今のあれはなんだろう?

一時停止も時折混ぜて。


とても楽しい冒険も。

ふと周りを見て首を傾げるのです。

アレレ、ココハドコダロウ?


周りは見たことのないものばかり。

仔竜の背丈を遥かに越えた、大きなものがいっぱい動いておりました。


びっくりするほど速いもの、

びっくりするほど大きな音。


知らない竜もこちらを見ています。


ぴぃ、ぴぃ。

親竜を呼んでみても、返る返事もありません。

どうしよう?





親竜に伝達が届いたのは、それから暫くしてのことでした。

仔竜はまさしくそこにおりました。


おやつを口に頬張って、見つかっちゃったと顔に書いて。

側には正義の味方の犬耳お巡りさん。

仲良くお話をしておりました。


お散歩もほどほどにしないと、ね?

犬耳竜がいいました。


ぴぃぴぃ。仔竜は首を振っています。

おや?嫌だと横に振るのです。


ぴぃぴぃ。犬耳竜の服を持ってこういうのです。

『またくるね』


元気いっぱいの仔竜はニコニコ笑顔。

周りの成竜は苦笑い。




これからの後、

何度も犬耳竜とお話しするのは別のお話。




おやおや、またきたの?

ぴぃ。


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