第2話インタビュー

「では、『先生』の書く物語は神の啓示だと」

ベッドの上に寝そべりバタバタと足を動かしながら先生は言う。

「うん。そうなの。カミサマと交換日記をしてね、カミサマが作ってくれたストーリーを物語にしてるの。だからカミサマがいなくなったときにわたしはやめるの。小説家」

さっきからずっとこの調子で、同じことを繰り返していて、だんだんとイラついてきた。

テンサイのセンセーは意志の疎通が難しいらしい。

「カミサマと仰っておりますが、キリスト教ですか?それとも神道の関係ですか?」

すると、不意に正座になり、手を胸にあててうっとりと頬を緩めていう。まるで、夢を見る少女のようだ。

「カミサマはノートの中にいるの。いつの間にか書いてるからカミサマなの」

メモを取るフリをしつつ、胸の奥にドス黒い感情が波打つ。

「カミサマがノートの中にいるなんて初めて知りました!これは世紀の大発見ではないでしょうか!ますますセンセーのことを尊敬してしまいますよ」

何がカミサマだよ。

そんなのいるわけない。ばかなこ。

「では、センセー、神の宿るノートというのを見せていただけますか?」

『先生』は顔をサーッと青くする。

私は不敵に笑う

「『センセー』そのカミサマの宿るノートというのは、ご実家の『名前を忘れた方』の部屋にありますよね?」

「え?何のこと?全然わからない」

「そのノートにはカミサカマナと書かれているはずです。この名前、あなたの記憶から全部消してしまった名前ですよね」

先生は頭を押さえてイヤイヤをする様に頭を振る。

「しらない!かなこ、しらないわ!かなこは悪くないもの! 全部あの子が悪い!! 盗られるあの子が……」

「言いましたね?ボイスレコーダーにも、カメラにも撮りました。もう言い逃れはできませんよ。あなたの本名は上坂かなこ。そして、カミサマの宿るノートの主は妹の上坂マナ。それは私のことです」

先生ーー上坂かなこは咆哮をあげた。

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