ニセモノ

夜人(らいと)

第1話 有名小説家・底辺ジャーナリスト

何もない白い部屋に格子付きの窓、吹き抜け風の天井から太陽光が差している。

その真ん中に深緑色のベッドが一つ。

そこに 彼女 はチョコンと座っている。

幼女のように見えるがシミなのかそばかすなのかわからない斑点が顔のところどころにあり、老婆のようにも見える。

年齢が全く読めない。

全体的に黒髪だがちらほらと白いものも混じっている。

白いワンピース風に着た大きめのトップスにに浅黄色のパンツが彼女のスタイル。

「初めまして。フリーのジャーナリストをしている永見レイです。今日は先生の生い立ちを本にしたくてお話を伺いに参りました。今日はよろしくお願いします」

私は握手しようとして手を差し出すが、「先生」は虚空を見つめてボーっとしている。

こんな調子で仕事ができるのか?と思うが……

それは 「テンサイのセンセー」 だからできることなのだろうか?

根気よく話を聞こう。

私はペンとメモ、PCとハンディカムカメラに三脚とボイスレコーダーを取り出して用意を始めた。


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