4日目 シールド? いえ、知らない子ですね

 EG Unionの総司令部を間借りして運び屋業務を始めた私。

 貨物スペースが広くなったことでデータ輸送のみならず貨物輸送にも手を出したのだが、すぐに積載量の壁にぶち当たった。


 報酬の高額な依頼は、やはりその分運ぶ荷物も多くなる。

 デフォルト状態の18トン分ではやはり36トンやら45トンやらの依頼では往復せねばならず不便極まりない。


 カスタマイズによって44トンまでカーゴを拡張したが、50トン越えの依頼もあるし、依頼掛け持ちもよくやるのでこれでもまだ足りない。


 と、いうわけで私は非常識とも言える手段に手を出した。


 シールドを生成するシールドジェネレーターを取り外し、貨物室に置き換えたのだ。


 これを聞いて、先輩CMDR諸兄は「コイツ死ぬ気か?」と思ったことだろう。


 シールドは、船体を覆い追加のHPとして機能する防御システムで、船にダメージが入る際はまずシールドにダメージが行く。

 シールドが耐えきれなくなると船体にダメージが入るようになると言うわけだ。


 これが結構重要なのだが、具体的にどう重要かは後で身を以て思い知ったのでその時説明しよう。


 そんなわけで私はシールドと引き換えに14トンの追加の積載量を手に入れ、最大積載量は60トンとなった。


 これなら少し多めな依頼もこなせるし、そこそこの報酬が貰える30トン前後の依頼を2つ同時に受けられる。


 一気に金策が捗るというわけだ。


 しかしこの宇宙、なにかと物騒である。

 特にEG Unionは小勢力。本拠地から数星系離れただけで、そこはEG Union、連邦、帝国が入り乱れる紛争地帯。

 当たり前のようにPCNPCを問わず海賊が跋扈する危険地帯である。


 そんなところで運び屋なんぞしていたら当然海賊に襲われるわけだ。



 海賊のみならず、このゲームにおける襲撃の流れは、まず超光速巡航でターゲットを探し、見つけ出したらFSD インターディクターと呼ばれる妨害装置を使って敵を通常航行に引きずり下ろし、逃げ切られずに成功したら艦載兵装で攻撃を仕掛ける。というものになる。


 Cobraは足回りが優秀な為、インターディクターによる妨害をNPC相手なら難なく振り切る事が可能だし、万一通常航行に持ち込まれてもブーストを使ってガン逃げすればだいたいの船は振り切れた。



 そして幾度目かの海賊の襲撃の時。タブレットで別の作業をしていた為反応が遅れ、あっさり通常航行に持って行かれてしまった。


 そこから全速力を出し、何発か被弾したものの振り切る事ができた。



 そして進路を戻そうとマウスをいじるが一切反応がない。

 まさかと思い出力を絞るが速度は一切変わらない。


 私は秒速429mできりもみ回転を始めて止まらなくなっていたのだ。


 慌てて右パネルを開き、スラスターの状態を確認してみると、Health0%の表示が。


 そう、さきほどの被弾で、運悪くスラスターを全損したのだ。

 シールドがあればそちらで肩代わりできていた筈のダメージだった。


 FSDは無事だったが、スラスターに異常があると起動できない仕様のようで使用は不可能。

 使用して修理のできるステーションまで近付いたところでこの状態では離発着は無理。


 私に残された手段は、Shipタブの一番下のボタンを押す事だけだった。


 爆発オチなんてサイテー!(3日ぶり2度目)


 みなさんもシールドはしっかりつけましょう。

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