真面目なお仕事ですね
「モナコ公国ですか?」
「えぇ、現地に行くことはないと思いますが、領事館には行くことになるでしょうね。
公用語はフランス語だけど、モナコ語で話されるとちんぷんかんぷんだから。仁美はモナコ語オケでしょ?」
どうせなら領事館より現地に行きたいものだが。
「モナコ語は喋るけど、何があったの?」
「ん~、数年前からちょっとおかしな動きがあってね、うちのエージェントを領事館に送り込んでたんだけど……」
「連絡が途絶えた?」
「そうなのよ。それでね、一応領事館に問い合わせたら大使員と結婚して新婚旅行に行ったって返事が来たのよね。あり得なくない?」
大使員ともなると生粋のモナコ人だと考えるのが妥当だよね。モナコ国籍及び住居権が手に入るなら考えられないものでもないな。
領事館に入ると物凄い片言の日本語が聞こえてきた。一緒にいた洋子さんはフランス語で結構ですよと話している。
『極上の女じゃねえか。お前、どっちが良い?』
モナコ語だ。僕達を案内している男2人の会話がまともに聞こえてくる。絶対にわからないと思っているんだろうな。
『あの女も良かったが、ジャンケンでカマルに取られちまったからな。今頃ヤリ部屋でヤリまくってんだろうな』
ほぼ確定したな。後はそのヤリ部屋が何処にあるのか、コイツらの単独なのか、領事館ぐるみなのかを把握しないといけない。
『おい、マドリーヌ。あの2人にアレ入りのクッキーと麻酔薬入りの紅茶を用意しとけ』
ほほぅ、下っ端ぽいっ2人が直接使用人らしき女性に命令ですか。これは代表大使は無関係かな?
一応日本語がわかるみたいなのでスマホを取り出して洋子さんに先程までの男達の会話をメールでおくった。
「貴女に任せるわ」
「りょ」
マドリーヌという女性がクッキーと紅茶を僕達の前に用意している。僕は彼女の服の裾を引っ張って呼び止めた。
「すみません、お手洗いを案内して貰えませんか?」
「わかりました。こちらです」
今回はフランス語で喋っている。僕は席を立つ時、敢えて洋子さんのバッグを持って立ち上がった。
洋子さんのバッグの中にはクロロホルムもどきと即効性の媚薬が入っている。
「此方でございます」
そう言った彼女の顔にバッグから取り出したスプレーするとお手洗いに引き摺り込んだ。素早く服を脱がして下着姿にして、プラスチック手錠を右手と右足、左手と左足に付けて便座に座らした。
そして、ショーツの中に即効性の媚薬をスプレーして、ローターを2個、ブラの中にも左右1個づつ入れてツマミを回す。
クロロホルムもどきの本当の名前は知らないが、本物と違いちょっとした事で目が覚めるようになっている。
ローターが動き出した事で彼女は目を覚まし身悶えだした。そして、すぐにツマミを逆に回して動きを止める。万年筆を頸元に当ててモナコ語で話し掛ける。
『ヤリ部屋って何処にあるのかな? 言わなかったらグサリ、言ってくれたらツマミを回してあげるよ。
迂闊だよねぇ、モナコ語喋れる日本人もいるんだよね。さっきの2人の話しは丸聞こえ。此処は領事館って言っても三菱商事の敷地内だから治外法権は適応されないんだよね』
嘘である。領事館は領事館で治外法権は適応されるのだが……。
『ん~んぁぁ、……うぅ……』
僕はツマミを回して戻して、回して戻してを繰り返していた。
『3階の……1番奥……早く動かして! お願い』
僕は気付け薬をハンカチに染み込ませて彼女の口に押し込んだ。そしてツマミを最大にまわす。
『ふごぉぉ……んん、ふうわぁぁ……んんん』
僕は彼女の服を持って3階に向かう。階段は入ってきてすぐ右側にあった筈だ。階段まで戻ってきて一気に3階まで掛け上がる。
突き当たりのドアに耳を当てて中の音を聞いて、慌ててドアを開けた。
鉄格子の中のベッドで男女が交わっている。女性は悲鳴あげて嫌がる中、男性は腰を振っていた。
鉄格子のドアは開いていてすぐに中に入れた。男性は僕に気付いたが時既に遅し! 僕の蹴りが側頭部にヒットした。
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