答え合せ
「返事は纏めて聞くから質問を最後まで聞いてね。
貴女は今、凄くエッチな気分です。隣にいるのは誰ですか?
貴女はその人と2人きりで部屋にいます。その人もエッチな気分になっているみたいです。貴女はその人を襲いましたか? それともその人に襲われましたか?
エッチな事が終わって貴女とその人はベッドの上にいます。貴女とその人は何をしていますか?」
何か微妙な心理テストだなぁ……。これって僕を試してないか?
「そうですねぇ、最初の問いは洋子さんかな?
2問目が襲われました。3問目は僕が洋子さんに腕枕されていて、洋子さんは時折、僕の身体を触ってきます。ってところかな」
洋子さんは少し考え込んで、僕の顔を覗き込んできた。少し上目遣いぽくってドキッとしてしまう。
「ふ~ん、相手は私なんだ。私って男なのよ、構わないの?」
「今の洋子さんを見て誰が元男って思うんですか? 目茶苦茶美人じゃないですか。
それで、これで何がわかるんですか?」
「そうね、答え合せをしましょうか。こっちに来てくれる?」
そう言って洋子さんはキッチンの方へと向かった。
キッチンのカウンターには椅子が2脚用意されている。
「仁美はこの薬を飲んで、ちょっと待っててくれる? 毒でも何でもないから。私はササっと汗を流してくるから」
また薬? 何か薬にトラウマが生まれそう……。
薬を見つめていると洋子さんが出てきた。本当に早い。まだ、2分も経っていないだろう。
洋子さんは僕と同じ様なタオル地のガウンを着ていた。
「だって、ワンピ脱いだら裸だもん。あらっ、まだ薬飲んでなかったの? それ普通の栄養剤よ」
洋子さんは僕の目の前にある薬を手にとって口の中に入れると2、3回噛んで飲み込んだ。
「信用した? もう、死ぬ様な薬を飲む事はないわよ」
キッチンのカウンターに置いてある薬瓶から1錠取り出して僕の口の前に持って来た。僕は素直に口を開けて薬を受け入れると洋子さんがしたように、2、3回噛んで飲み込んだ。
「甘くて結構美味しい」
「でしょ? 覚えておいてね、甘い薬って子供用の薬と解熱剤の一部、そして媚薬なんだよ。
……私も媚薬、飲んじゃった。
さっきの心理テストの答え合せをしましょうか。
さっきの問題はね、貴女がどのくらい女性に慣れたかを測定する問題だったの。
最初の問題は、単に誰とエッチしたいかを尋ねただけよ。見た目は女でも私を選んだって事は意識的に女性になろうとしてるわよね。
別に、香織でも、女優でもアイドルでも良いのに貴女が知っている男の私を選んだのだから。
2問目もそう。普通、襲うのは男、襲われるのは女って意識がある筈よ。それで、貴女は襲われた。
3問目も普通にエッチの後にベッドの上にいれば、ピロートークをしてるって思うわよね。それで貴女は私に腕枕をされているって答えたわ。それは貴女が、私は男であり、自分が女だと思ったからでしょ?
………だから、今から実演しましょ! そろそろ媚薬が効いてきたでしょ? 私も効いていて、ここがこんなになっちゃたわ」
そう言ってガウンを脱いだ洋子さん。その姿を見て僕は生唾を飲んだ。
「ど、どうして……どうして洋子さんに、それがあるんですか!」
「前に言ったじゃない。私は第2段階の唯一の生き残りで100%の転換率じゃ無かったから第3段階に進んだって。
私は一回も私が第2段階の成功例とは言ってないわよ」
……そりゃ確かに言ってないかもしれないけど、言って無かったもしれないけど……。
ダメだ! 動揺して頭が全然回んないや。
「顔も紅くなってきてるし、息も乱れてきてるわね。ね、2人ともエッチな気分になって、部屋で2人きり。隣には私が居て……」
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