⑮14:30
駆け込んだ。
公演。ちょうどいま、はじまるところ。VIP席というのは本当らしく、完全個室だった。とりあえず、近場にあった水とお菓子をいくつか流し込む。
「あ?」
ドリームロールのお菓子だった。
「なんでここに」
しかし、どうしようもなく、美味い。走った身体に染み込んでいく。最高の味。
幕が上がる。
彼女がいた。
3年前と変わらない顔。変わらない雰囲気。
踊り。
違っていた。三年前のものではない。
「これは」
俺の描いた、山か。
踊りから、山の匂いがする。
彼女の匂いと山の匂いが、混ざったような踊り。
「すごいな」
俺の描いた山が、踊っている。
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