⑭三年後、下ネタ敏腕女マネージャ再び

「おう。戻ったか。今回は長かったな。どうする。すぐ次の山を抱きに行くか?」

「いや、一旦やめる」

「そりゃあ、休みなしで全国津々浦々の平凡な山を登りまくってるからな。それも三年間。いいかげん疲れたろ」

「疲れたというか、ちょっと甘いものが食いたくなってな」

「コンビニか。行くんだったら私にも差し入れをくれ。ようやくガキがまともなめしを食えるようになったんだ」

「そうか、子供が生まれてからもうそんなに経つか」

「あぁ。てめぇが自分勝手に山でしゃせいしてる間に命が育まれたよ」

「おまえ、子供ができてもその路線で行くのか」

「黙れ山オナニー野郎」

「おい」

「あ、なんだ山オナニー野郎」

「あれはなんだ」

「あ。てめぇニュースとか見てねぇのかよ」

「ああ。教えてくれ。どうなっている」


「世界的ダンサーの公演だよ。なぜかこの街に縁があるらしくて、定期的にここに来るんだ」


「チケット、取れるか」

「即日完売。秒レベルさ。今からやっても無理だ」

「そうか」

「へへ。私を誰だと思ってやがる。てめえが山でしゃせいしたあとの紙を売って大儲けしてるんだぜ。ちょっと待ってな。ほら。VIP席だ。存分に楽しめよ。公演開始は、ええと、14時半だ。走れば間に合う」

「ありがとう」

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