⑨下ネタ敏腕女マネージャ
「あぁ。俺だ」
『おう。どうした山オナニー野郎』
「やめろその呼び名は」
『てめえ私の結婚式にも来ないでどこぞのコンビニでバイトしてたって聞いたぞ。ころすぞ?』
「お前の結婚式に俺が出てどうする」
『出ろよ。そして私の身柄を結婚相手から奪うとかなんかこう、あるだろうが』
「ねぇよ」
『山オナニー野郎が。オナニーしすぎでしね』
「仕事の依頼だ」
『は、あ?』
「聞こえなかったか」
『仕事ってお前、もしかしてまた』
「描く。準備ができた」
『山オナニー野郎。ついに、ついにお前、また筆をおろす気になってくれたのか』
「なんかお前、うざいな。夫の前でもそんな口調じゃないだろうな」
『黙れ。てめぇが山としかセックスしねぇから仕方なくこうなったんだろうが』
「すまない」
『謝るなよ。てめぇ、その口ぶりだと、女ができたな?』
「いや」
『ごまかすなよ。てめぇが山でしゃせいするのを私が一番近くで見てきたんだ。あんたの性欲を復活させるのは、間違いなく女だ。極上の。で、どんな女だよ』
「中学生」
『は、あ?』
「ガキだよ。一次関数とかヨウ素反応とかやってる中学生のガキ」
『おまっ、は、犯罪じゃねぇか』
「だよな」
『せめて私とかにしとけよ。不倫になるけど不倫で捕まることはねぇぞ。さすがに中学生は、おまえ、捕まるぞ』
「だよな」
『おまえ』
「だから、断った。そして俺は、山に籠る」
『そ、そうか。わかった。とりあえず準備はする。また霊峰だの険山だのにするか?』
「いや、普通の山がいい」
『普通の?』
「その辺にある、標高四百メートルぐらいのやつだ。普通の山がいい」
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