⑥コンビニのレジ前
踊りが、明らかに違っていた。
誘っている。何かを。
表現を志した者だけが理解できる、感情の機微。心の質感。伝えたい思い。情念。
「参ったな」
コンビニの夜勤の分際で、もしかしたら、すさまじいものを見せてもらっているのかもしれない。
あのとき感じた、山の頂上のような匂い。表現の頂を目指す者の匂いということか。
忘れていた感情が、踊りと共に呼び起こされていく。
描きたい。
もういちど。
私の中にある、絵を。
「これは、お茶とアイスじゃ足りないな」
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