⑤さらに変わる日常

なんか動きが、ちょっとずつ、ぎこちなくなっていった。なんか違う。夜と一緒になれてない。踊りの質が変わってしまった。

しかし、先生と親の絶賛は増した。拍手もたくさんもらえるようになった。そしてなぜか、男女問わずもてはじめた。

デートの誘いを片っ端から断った。

そもそも、たいしてかわいくもないし胸も小さい。こんな女のどこがいいのかわからなかった。

私は、コンビニのレジの人にさえ見てもらえればそれでいい。

コンビニのレジの人。

タオルで首についたわたしの汗を吹いたときの。のどの動き。

「あっ」

わかった。

夜と一緒になれてない理由。動きがおかしい理由。

「あのひとに、見てもらいたいんだ。世界の中心とかじゃなくて。あのひとに、私を」

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