③変わる日常

その日を境に、私の踊りは変わった。


コンビニのレジの人のことを考えながら、踊るようになった。そして、踊るとき必ず、夜の雰囲気や匂いを思い出しながら動いた。


自分でもびっくりするぐらいに、周りが変わっていった。怒られることがなくなった。踊り終わったあと、見ていた人や先生が拍手するようになった。


親は、踊る私を見てギャン泣きしてた。もう何も言うことはない。あなたの好きな道を選びなさいとか最近は言い出しはじめている。私の教えた踊りは間違ってたとかなんとか。


簿記や秘書検定の勉強をやめて、踊りを練習するようになった。

毎日、夜が待ち遠しかった。


夜に踊るんだ。コンビニの前で。私の交差点で。あのひとの前で。また、綺麗って言ってもらえるように。

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