魔域攻略 最終決戦
さて、今まで出会った、壁の守人と協力して最後の決戦だ。
・魔神との決戦
戦闘になる。
敵はエゼルヴ、戦闘開始時、全ての魔神は前線エリアに配置。
そして、この戦闘では特別ルールが適用される、全ての特別ルールを確認してから
戦闘を開始せよ。
1)イリーチナの配置
この戦いにはイリーチナも参加している、イリーチナは熟達した妖精剣士だ。
ただ、イリーチナは妖精魔法ではなく真語魔法9レベルを使用し、追加で
《魔法収束》《魔法制御》を習得している。イリーチナはPCの指示に従う。
彼女が戦死したとき、PCも全滅した物として扱わなくてはならない。
2)魔神の群れ
魔神側の手番の最後に、ランダムに選んだPC人数の半分体までの対象に。
[支援ダメージ:威力25+AL/C値10]のダメージを与える。
もしイリーチナが魔神の群れの攻撃の対象になった場合。同じエリアにいるPCが身代わりになって、そのダメージを受ける事が出来る。
3)守人の援護
この戦闘では、周囲で魔神達と戦っているほかの壁の守人たちが援護してくれる事がある。
戦闘準備のタイミングで、「守人の援護効果リスト」にある効果のいずれかを。
合計「6-PC人数」回だけ選んで獲得し、戦闘中の任意のタイミングで使用出来る。この時、同じ効果を複数回分選んでも良い。
ルールはこれで全部だな。そう複雑でもないな。さて援護は5回まで選べる。
何にしようかな?
1つめ、まずは機先、先制判定に+4、この効果のみ、1回しか選べない
2つめ、戦術支援、魔物1体の魔物知識判定に成功したのと同様に、そのデータを知り、「弱点」を適用できる。
3つめ、対象1体にセイクリッド・オーラを付与したセイクリッド。ウェポンを行使
4つめ、5つめ、任意の対象一体にキュア・ハートを行使する。
これで行くか、では、いざ尋常に!
・ちなみにエゼルヴとは
体長4mの白い外套を纏う美女の姿をした魔神。髪や顔も白、尻尾の先と目だけが金色だそうで、ちなみに外套に見えるのは皮膚で、身体の周囲をビロードの様に揺らめいている。理性的かつ嗜虐的な性格をしており。単独行動を好む。
得意技は口から吐く白い靄で生物を仮死状態にする力。仮死状態にされたのを気づかず葬儀などしてしまった時、その者の前に現れ事実を知らせ、絶望を与える事を
好むのだそうだ。また仮死状態の生物を魔神召喚の供物や苗床にしたりなども。
絵に描いたような邪悪である。倒さねば。
勝利!
「これが、北西部を冒険してきた集大成の二打撃! 貴様に見切れるか!」
「へぇ、やるじゃない、胴体を無視しての頭部へ、それに女にも容赦なし」
「貴様は女である前に、俺の仇敵たる魔神、この英傑の味方ヴァイスマンの敵だ!」
「あなたも、魔神の力を宿してるのにねぇ、こちら側ではなくて?」
「黙れ! 理性のあるように振舞いながら、その実、多くの無辜なる者達に悲しみを抱かせる、悪辣なる魔神め、俺はその程度の甘言には飲まれたりはせんぞ!」
「勝手に確認もせず殺すのがいけないのよぉ、それに、甘言で貴方を誘う気なんて、無いわよ」
機先を制したテオの斬撃がエゼルヴを穿つ、狙いは頭部のみ。
胴体を悠長に攻撃して破壊し、頭部を狙っていては先にやられるのはこちらだ。
だからこその、援護を受けての斬撃、己の力、憎むべき魔神化の力も利用した一撃。
「だから、死になさい」
「っが、サンダーボルトっだと!」
「ふぅん、まずは先に御姫様から、殺してあげようかしら」
「ぐおっ! まずい、イリーチナ様がっ」
エゼルヴが手を突き出すと2人めがけて頭上から雷鳴が降り注ぎ浴びせられる。
真語魔法の高位魔法の一つ、サンダーボルト。更にエゼルヴは手に持った武器をテオとイリーチナにまとめて振り下ろし、致命傷を負わせる、イリーチナはもう一撃でも受けてしまえば、死んでしまう、その時であった。
「イリーチナ様! お立ち下さい、まだ終わっておりません!」
「サーシャ……ええ、そうですね、まだです、まだ終わりません!」
最後、エゼルヴの針がイリーチナめがけて、突き刺さろうとする瞬間。
アレクサンドラがイーヴへと祈りを捧げ、イリーチナの傷を癒し、その場に踏みとどまる様、激励する。イリーチナはその場にまだ立っていた。
「雑魚は俺が相手だ、いくらでも来い! お前らとやり合うのには慣れている!」
「やるわね……これ以上は駄目そうね」
「っふ、案外諦めが早いな、土の妖精、……出てこい! 穿て!」
「ふふ、ここで私が消えた所で、私はまた別の所で同じことを繰り返す、人族と魔神の戦いは永遠に続くのよ」
「それでも、今だけは悲しみの螺旋は途絶え僅かに幸福が訪れる! そして僅かでも良い、その僅かな幸福に希望を見出し前に進み続ける事が出来る、それが人族だ!」
迫る魔神達をテオが剣を振り追い払いながら、エゼルヴが終わりを悟るのに随分と諦めの速い物だと思いながらも油断なく、土の妖精を操り、エゼルウを攻撃する。
その礫を浴びながら、エゼルヴは自分は魔界に帰るだけで、この戦いは永遠に続く事を示唆する。テオは反論する、幾ばくかの幸せは訪れると、そしてその幸福に希望を見出す事が出来る、それが人族が今日まで生きて戦い続けて来た原動力なんだと。
「希望と幸福……ね、脆そうで、そして弱そうだわ、それに私程度を退けて手に入る幸福も希望も、安いのではないかしら?」
エゼルヴは安っぽい言葉に消滅しかけている体で嘲笑する。その安っぽいと言う言葉にテオはふと遥か少年の頃に過ごした師匠とのひと時を思い出した。
小さなテーブルに二人で食べるには些か多すぎるこれでもかと並べられた食事。
師匠はその細い体に幾ら入るのだと言わんばかりに飯をかきこむ。それも今この世でもっとも幸せなのは自分だと言わんばかりの顔で、テオはいつも幸せそうに飯を食べる師匠を不思議に思っていた。
「師匠、アンタ、たかが飯食ってるだけだってのにさ、いつも幸せそうだよな」
「はっはっは、テオにはそう見えるかい、だがね、テオ、食事をな……」
そしてその事を口に出せば師匠は、三食しっかりと食事が出来る、これ程良き幸福は無い、そしてこの幸福こそ明日を生きる希望と生るのだと答えた。テオはその程度で得れるなんて随分と安あがりな希望と幸福だと今の目の前にいるエゼルヴと同じ事を師匠に言った。その言葉を聞いた師匠がテオに言い聞かせた言葉は今も覚えてる。
この醜悪な魔神に届く訳無いが、聞かせてやろうと、そう思い口を開く。
「『安ければ誰であろうと手が届く、それは素晴らしい事ではないか』」
「っぐ、その顔!? ……っが!?」
粋に頬を緩ませ、ほくそ笑んだ時、エゼルヴの余裕な表情はそれと対照的によっぽど気味の悪い物を見たかの様に歪んだ、いつかに同じような薄ら笑いを浮かべる同じ顔でも見たかの様に。そしてその隙をついた形でテオの横を魔法で作られた槍が飛び深くエゼルヴの胸に突き刺さった。
イリーチナのエネルギージャベリンであった。
「…………そう、ならその僅かな幸福に酔っていればいい、忘れた頃に絶望と悲哀を貴方の下に運んで上げる、それとも、それを恐れて恐怖に震えるのかしら?」
「やってみろ、俺は傾奇者テオフェラトゥス、絶望に屈することなく、悲哀に暮れる事も無い、ましてや恐怖に怯え震える真似などしない、僅かな幸福に希望を見出し、明日へと歩まんとする……ですよね、師匠」
こうして激戦が今終わった。以下次回!
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