相棒

第1話

「好きな動物は何？」

必ずと言っていいほど、訊かれる質問。

殆どの方は、犬か猫と答える。

まあ、無難な回答だろう。

最近では、カワウソとかイルカとか、水系も多い。

変わったところでは、イグアナとかカメとか、爬虫類系も多い。

しかし、「何をペットにしたいか？」となると、変わってくる。

好きな動物＝飼いたい動物とは、限らない。

私も１人暮らしを初めて長い。

最初は、嬉しかったが、だんだんと家族のありがたみがわかってくる。

寂しくなっていったが、家族の元へは戻れない。

でも、後には引けないし、帰れる距離ではない。

自分ひとりの生活で、精一杯だったが、余裕が出来たので、ペットを飼う事にした。

何がいいか、考えた・・・

ちなみにアパートなので、犬は却下。

猫も、爪とぎが大変なので、却下。

カワウソは、水の確保が出来ない。

魚類も水の入れ替えが面倒

昆虫は、小さい頃に失敗したので、止めておく。

あれも無理・・・これも無理・・・

どうしよう？

人間飼うか？

犯罪になる。

「あれもだめ、これもだめって、まるでバブル期の学生だね」

どこからか、声がする。

どこだ？

どこにいる？

「ここだよ」

声は台所からする。

そこには、ゴキブリがいた。

「やあ、相変わらずだね」

ゴキブリと視線が会う。

「女の子なのに、驚かないんだね」

「私は、虫は平気だからね」

「何が苦手なの？人間の娘さん」

「ネズミ」

「じゃあ、ハムスターにしよう」

ゴキブリの言葉にキレた。

「おのれは、私の話を聞いてたの？」

「ハムスターはハムスター。ネズミとは違う」

「同じげっ歯類でしょ？」

「じゃあ、リスもだめなの？人間の娘さん」

「あれは、かわいい」

「我がままだな。娘さん」

「ほっといて」

私は、何でゴキブリと言い争っているんだ？

「とにかく、ハムスターにしなさい。娘さん」

「何で、勧める？」

「それは・・・」

ハムスターに対して、レクチャーを受けた。

ゴキブリから・・・

なるほど・・・

確かにいいかもしれない。