第8話 換金

あれっ?


そう言えば俺、良さげな魔法持ってなかったっけ?


◇◇◇◇◇◇◇◇

名前 マモル

種族 人族

年齢 25

レベル 1

体力 100/100

魔力 100/100

スキル 【温泉】

〈水魔法〉

水を生成し消滅することができる。

レベル1で最大1L

消費MP1(生成・消滅セットでも片方でも消費MP1)


〈火魔法〉

熱を操ることができる。

レベル1で1kgの水を最大36度に熱せられる熱を操れる。

消費MP1


〈土魔法〉

任意の鉱物を生成することができる。

レベル1で1種類最大1kg

消費MP10


〈回復魔法〉

あらゆる症状を癒すことができる。

レベル1で軽度の傷病の治癒

消費MP10


◇◇◇◇◇◇◇◇


「あ」


『任意の鉱物』?


「この国の貨幣制度って、どうなってましたっけ?」


「なんじゃ、今さら」


ハサンさんの説明だと、以下の様になっているらしい。


貨幣の単位は『セム』

1セム=1円

1鉄貨=1セム

1青銅貨=10セム

1銅貨=100セム

1白銅貨=1,000セム

1銀貨=10,000セム

1白銀貨=100,000セム

1金貨=1,000,000セム

1白金貨=10,000,000セム


宿代3000セムは、3000円か。


安いな。


田舎の民宿で3000円か、素泊まりなら分かるけど、2食付きで3000円は安いよな。


「ジェネレイト マテリアル」


俺は、気づかれないように詠唱をして、銀の塊を生成した。


「こういうものも、持っているんですけど、売れますかね?」


俺は、生成した銀の塊1kgをテーブルの上に置いた。


「こ、これはもしかして、銀鉱石かの?」


ハサンさんが、震えながら銀塊に触れる。


「ええ、確かそのはずです」


俺もいまいち自分の能力に確信を持てないため、曖昧な返事をする。


「悪いが、これほどの大きさじゃと、40万セムはくだるまい。この村ではとてもじゃないが、換金するのは無理じゃ」


「そうなんですか?」


じゃあどうすればいいんだ?


この塊を切り分けるわけにいかないし。


・・そうか、もっと価値が低くければいいのか。


「これだとダメですかね?」


今度は、白銅とただの銅の塊を見せる。


「駄目じゃな」


「えっ?」


「銀より下の価値の鉱物は、換金できないのじゃ」


「そんな・・」


俺は途方に暮れた顔で、肩を落とした。


「ドワーフの鍛冶屋があれば、別なんじゃが、村にはないからのう。村の鍛冶屋じゃと鉄ならいいが、1kgでは数百セムにしかならないからの」


う~ん。


手詰まりか?


『〈土魔法〉

任意の鉱物を生成することができる。

レベル1で1種類最大1kg

消費MP10』



』か!


「このくらいの大きさだったらどうですか?」


俺は、100g分の銀を見せて尋ねた。



結局、雑貨屋で銀を100g換金して4万セムを手に入れた。


そして、とりあえずベイルの宿で、10日分で宿泊をたのむことができたのだった。


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