ある事件によって華やかな青春からやや外れた主人公を切り取っており、まずその着眼点に惹かれる。文体はややコミカル寄りで読みやすい。一つの心情を深掘りするというより、その時その時の感情を細かに拾っている印象。ストーリーとしての進みは遅いがその分肉感が出ている。日頃の気づきを与えてくれる良作。個人的には日数を分けて少しずつ読むのがより楽しめるかと思う。今後どのように結論に向かうのか期待。