夜の生活の歴史ってね♡2「明ヨロ」番外編


【日本の家族制度と性】


 前回につづき、家族と性の歴史です。


 女性が嫁ぐ形の結婚制度は、古代から考えると案外と歴史的には浅い。


 武家社会で家の存続が重要になって、はじめて女性が男性の家に嫁ぐ形が日本に根付いたもので、その前は母系社会やグループ社会では乱交を繰り返してきました。


 仏教、儒教では一夫多妻制を否定していない。


 また、厳密にいえば江戸時代には庶民も含めめかけを持つものも多かったから、現代のような一夫一妻は、あるいは、戦後の、それも女性の権利が強くなった、昭和30年以降かもしれない。ある意味、これはまだまだ新しい制度といえます。


 現代の一夫一妻制が整った江戸時代。しかし、別の問題も起き始めていました。

 家の存続のためには跡継ぎの男子が必要になり、このことで困った事態もおきたのです。


 現代中国も同様の課題があります。長い一人っ子政策により、意識的に跡継ぎ男子が増えた結果、適齢期の女性が減るという状況です。


 同じようなことが江戸の町でも起きました。当時はいらない赤子は生まれたときには間引きといって、殺すこともあり、男子が優先されました。この結果、江戸の町は極端に女性が少なくなっていました。


 一生結婚できない男性が増え、吉原大盛況だったという。


 また、戦前までは「妾を持つのは男の甲斐かいしょう」なんて、今聞いたら、ぶっ飛ばされそうな常識もまかり通っていました。


 この甲斐性、もともとは老人になって下の世話を嫁にさせず、妾にさせる金持ちという意味で甲斐という言葉ができたようです。これが、いつの間にかかわり、男性に都合の良いよう解釈されて今に至っています。


 徳川幕府、265年かけて女性の地位を最低まで下げてしまったのです。


(つづく)


【本能寺への道】明智光秀によろしくの続編は、下記で連載しております。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054919330401/episodes/1177354054921022447

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