第4話 図書館へ行こう!



反省会が終わり、駅に向かう小針と大橋は一緒に学校を出発した。


市内組は市内組での帰宅だ。

二人はあおい市外から電車で通っているのだった。

途中、ふと大橋が自転車と止める。


冬和とわ?」


「あのさ。かんとく。おれ、図書館に寄らないといけないんだよね。だから、先帰ってて」


「そっか。お前、図書館好きだもんな」


「勉強はできないけど、本読むのは好きなんだよね」


「おれは漫画なら徹夜したって読めるのにな〜」


「好きだね。ってかさ。そんな時間よくあるよね?かんとくって成績は悪くないのにね」


小針の成績は上の中くらいだ。

その反面、大橋は中の上。

読書家な割に成績は伸び悩んでいるようだ。


「おれ? おれは。寝る時間なんていらないんだよね」


「え? 嘘でしょ。おれ、9時には寝ないと持たないし」


「逆にそっちのほうが冗談だろう? 子供かよ。せいぜい三時間くらい寝れればいいほうかな?」


「バカじゃないの」


「うるさいな。そういうお前は、睡眠も読書の時間もすっかりとるから勉強できないんだろう? さっさと白木しらきに勉強教えてもらえよ」


「んなこと言われなくたって教えてもらってます〜」


大橋は小針に「い〜」っと悪態をついた。

子供か。

小針は苦笑する。

そして、なんだかふと。

今日は図書館という場所に足を運んでみたい気がした。


「おれも行く」


「ええ? かんとくも? いいよ。一人でゆっくりしたいし」


「いいじゃん。おれも行く。ゆっくりしたっていいよ。待ってる」


「人に待ってられるのってなんだか好きじゃないんだよね〜」


大橋は典型的長男気質だ。

こういうところ、人に気を使う。

だけど、気にしていられない。

小針は自転車を走らせた。


「じゃあ、お先〜」


「おい! 待てこら!」


面倒だ。

そういう気持ちになっている大橋だが、渋々と小針の後を追いかけた。





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