ゼキと村長の子供時代
本編でゼキが村長のことを「子供の頃に出会った、あの人」と言っておりまして、その子供時代をお話しします。
帝国は封建制度のようで、官僚政治。難しい試験にパスしたトップ官僚達が行政権を握り、王族はお飾りにすぎません。
もともと帝国の王族は、あまり野心的ではなく、文化的なのですが、さすがに力を奪われすぎていました。
そこで、生まれたのがゼキ。とてもお利口さんです。
大人たちはゼキを試験にパスさせ、王族の権威を取り戻そうとします。
大人たちは優しく、ゼキも大好きですが、期待が大きすぎて、やさぐれてしまいます。
ゼキが城の中庭で勉強していると、帝国の式典で招かれていたものの、かなりヒマしていた村長とペット(村長のお供の精霊)に出会います。
ゼキが「勉強に疲れた」とぼやくと、村長は、ゼキの勉強レベルも、勉強量も知らずに、「勉強楽しい!あんまりしなくてもできる!」といい、その横に浮かぶ精霊は「らっくんは、お利口さんだもんね」と褒め、子供に対して激甘です。
ゼキは、冷めた目で「とても健やかに育っている子供だな」と、自分も子供なのに思います。
その後、ちょくちょく式典がある度に、ゼキと村長は出会います。冷めた目で見ていたゼキは次第に、村長の天真爛漫というか、物事を深く考えない性格に、救われていきます。
だんだん、もとの明るい性格を取り戻していき、明朗快活な性格が形成されていきます。
村長が、適当に摘んでプレゼントしてくれる雑草(しかも花じゃない。猫じゃらしとか、そういう系)に、ゼキは心が躍ります。「雑草かい!」と思いつつも、心が躍ります。
ゼキは全部を大切に、押し花にしてとっています。辛いときは、それを眺めては落ち着きます。別に辛くなくても、時折眺めます。
村長はアンから遺品としてこれらを渡されました。
その後、16歳くらいになるまで、二人が会うことはありませんが、ゼキの猛アタックで、恋人になります。
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