中原愛之助の短編小説集
中原 愛之助
僕らは悩む火のように漂う~we drift like worried fire~
真っ暗の夜空から、燃える都市は不思議に綺麗だった。しかし、クロウの
火と灰以外に見ることが少なかったようだけど。
つやつやの黒い手でマスターのためにシワクチャな手紙を持っていた。彼が内容を読んではだめだけど、もし読んでみたら、どうせできなかった。
クロウは灰がいっぱいの空気を嗅いた。彼が知っていたもう一つのことは死体の臭さだった。確かに燃える死体の臭さを知っていた――焦げた焼肉のように臭っていた。
腹が唸り、つねっているような痛みだった。その朝から、彼は何も食べないから、待っている偉い馳走を想像していた。それだけでクロウがより速く飛ぶことをやる気にしていて、空に彼の広い墨色の翼が羽ばたいていた。
エッフェル塔の上の姑息な基地に着陸した時、クロウは暖かい歓迎と暖かい馳走が期待していた。
しかし、着地点に一人だった。
彼はパリの街並みを見下げた。遠くの地平線が夕焼けのように焼けていながら近くの街並みはじっと暗い墓地、天国行きの亡霊のような無数条の煙が空に
空は飛行機の音が吠え、英国へ北方向かってロンドンを燃やすために飛んでいた。バーミンガムもかもしれない。止め方がなかった――英国はフランスと同じほどに燃え、西欧の夜空が地獄の炎のように焼けるだろう。
クロウはエッフェル塔がまだ立っていることをびっくりした。すごい爆撃訓練と思った。あるいは、まだ爆撃しなかった。まあ、彼はマスターと死ぬかどうかどうでもいいと思った。どうせその世界は生きている価値がなかった。
彼はギュスターヴ・エッフェルのかつて事務室に入った。狭いヴィクトリア朝の部屋は一つのろうそくの光を除いて真っ暗だった。そこにマスターが座っていて、何かを書いている彼女のテーブルの上で猫背になっていた。頭の後から赤毛のポニーテールが下がっていた。
見るからに、やはり偉い馳走ではなかった。クロウは古いほこりと紙しか嗅げなかった。神様から悪い冗談のようだった。
彼女はクロウの入りが気づかないから、彼は指の節で壁を叩いた。まるでクロウが銃を放つように、彼女は下に伸ばしてルガーP08を出して彼に向けた。クロウは手に上げて、右手の中で手紙を見せていて、まるで「俺だ」と言うようだった。
「っあ、クロウくん」と銃を下ろしていてマスターは言った。「良かったわ。寂しくなるね。あ、それは……」
クロウはうなずいた。彼は彼女に向かって歩いて手紙を差し出した。取る後、マスターは微笑んだ。「クロウくん、来て」
断る理由がなかった。そして、彼のマスターだから断れなかった。しかし、彼が近づく時、彼女はクロウことを突然掴んだ。
気がつくと、彼は暖かさに包んでいた。そして、口に冷たくて固い何かを置いたと気づいた。彼は見下げた時、パンであることを見た。見上げた時、マスターの笑顔を見て、毛穴が見えるほど近くにいた。
噛んでいて、彼の歯はパンの柔らかい中身を切りやすかった。味がないけど、気にしなかった。むしろ、クロウの腹が気にしなかった。辺ぴな田舎の墓地でしか見られない沈黙の中で食べていたよう。誕生日から、いつも黙っていた。それは作り方だった。
彼女は翼を気にしないようだった。マスターはクロウの喉頭であろう所を撫でた。「悪いね、クロウくんをしたこと。声を切るのが必要なかったでしょう?最低」息を吐いた。「必要ない……クロウくんが話せるといいね。けど、何を話せるかな。天気?ふふふ、あまりないね」
彼女は手紙を読み始めながらクロウがパンを食べ続けた。強風が塔に激突して、古くて汚い窓が揺れていた。遠く、もう一つの爆発が聞こえ、もう一つの建物が全壊した。
しかし、まもなくクロウは眠くなることに気づいた。長い一日だから、もちろん疲れていた。暖かさもとっても眠りやすかった。彼のまぶたが重くなり、閉じると、クロウは夢の世界に流れられた。
「人間である意味は何ですか?」
空虚から誰かが話していた。クロウに話しかけるようだった。
クロウは答えれなかった。知らなくて話せなかった。彼の生命の全てに、人間じゃないと言われた。ただの使者、伝書鳩のように、これ以上何もないと言われた。
「なんで答えない?」と声は言った。「聞こえないか?それとも、そこにもいないのか?」
クロウは頭を振った。それしかできないようだった。
「っあ、そうかな?嬉しい、僕はここに一人と思った。じゃあ、なんで答えない?」
クロウは口を指そうとした。
「口?開けれないの?」
うなずいた。まあ、口を開けれるけど、何も出てこないから、全て正確がなかった。どうでもいいことだったけど。
「わかった。じゃあ、振れるとうなずけるから、僕はイエスかノーかの質問を聞こう。いい?」
また、クロウはうなずいた。その状況に、ある種の空虚の中に浮き、断れなかった。やることがあまりなかった。
「はい、始めようね。先の話題を返そう。その質問を答えれないから、できるように変えてみる。最初、君が人間である意味を知ってるか?」
頭を振った。
「君が人間ですか?個人の意見に、君が人間だと思ってるか?」
頭を振った。
「わかった。じゃあ、人間になりたいのか?」
クロウはしばらく考え込んだ。過去に尋ねたら、彼はすぐに「はい」と答えていたけど、今、確かじゃなかった。もう打たれなくて、もうゴミのように扱われなかった。今のマスターは母親のように優しかった。少ない食べ物なのに、彼を先にいつも食べさせた。だから、マスターは今のクロウが好きだろう。人間になることは必要がなかった。
クロウは空虚を見つめて、声が話す時を待っていた。しかし、どれだけ待っていても、声は話さなかった。
年月のように気がしたことは流れた。クロウと空虚と沈黙しかなかった。宇宙は何度も膨張するとか、収縮するとか、引き裂くとか、時間が無意味になるまで立ち消えた。あっという間に銀河が出会っていて、腕を組んでいて、踊っていて、一つになっていた。暗闇、光、暗闇、光。
クロウが眺めていて、頬に涙が流れ落ちていた。生きる宇宙の前に、クロウは全て忘れていた。
声の人は、顔がないのに、微笑んだ。それだけ全て必要だった。
「ありがとう、クロウさん。君はパスしました」
気がつくと、窓に長くて薄い日差しが流れていることに見えた。彼の右に、寝るマスターは寄りかかっていて、彼女の寝息が葉っぱの中に吹く夏の風の音のように静かだった。彼の左に床の上、部分的に燃えた手紙は横たわっていた。
クロウはちょっと戸惑っていた。昨日が一日中過ごして届けたのに、なんで燃やしたか?内容がダメか?秘密であるか?
彼は燃えなかった紙切れを掴んだ。読めないのに、少なくとも解読してみるだろう。手紙を見ると、さすが読めなかったけど、一つの言葉が親しさに感じていて、まるで前に見た。脳力を全部使うように、記憶の宝箱を調べた。
その言葉という意味が何か?フランス語だろう。意味が……意味が……
突然、ライフルから銃弾を放つように、記憶を見つけた。
「お前、鳥くそっ、なんて言ったの?手紙強く掴むな、シワクチャするだろ」
クロウにぶった。あの日初めてではなくて、たぶん最後でもなかった。
クロウは叫べらなかった。助けてと言えなかった。これは彼の日常生活だった。
彼は手を見た。人間みたいだけど、オニキスのように黒いつやつやだった。さらに、指を動きやすくないから、手紙しかつねれないか、落としていた。少しシワクチャした手紙か届けない手紙かどっちが悪い?
明らかな答えだろう。
マスターは、彼を汚れのように見下げる後、靴底で押した。
「クロウ、知ってる?Corneilleと言われるな。けど、本物のCorneilleはお前よりも良い仕事ができるだろ。ホント」
Corneilleという意味がクロウだろう?彼の別名だった。クリエイターはそれと呼んだ。
「うるせぇ」とクロウは叫びたかった。「死ねぇ、太い豚」とかとか。
しかし、黙ったままだった。何もできなかった。何も言えなかった。頭の中しか叫べなくて、頭の中しか響き渡れなかった。
日々が流れた外界を見なかった。空腹が
自殺をよく考えていた。でも、自殺方法がなかった。その地獄に住んでいることが呪われたよう。
ある日までだった。階上に一発の銃声が響いていた。続いて大きな音がした。頭で見上げた。ドアに近づく走る足音が聞こえた。鍵を使う音、そしてドアがバタンと開いた。
誰かが入った。
「あっ、ここに!」と言った。
彼女はクロウを持ち上げた。初めて見つめ合った。
「大丈夫?頭を動いて」と新しいマスターは言った。
美しいな……とクロウは思った。
「……クロウくん?何してるの?」
その質問がびっくりした。クロウは気がつくと、同じ顔に見えた。
寝ちゃった?記憶が鮮明すぎて白昼夢のようだった。
クロウは手を見た。手に、紙切れを掴んでいた。そこに「Corneille」と書いた。
それは……
読めないのに、国に住んでいる数年間後、脳は言葉と音を相関できるだろう。フランス語の文章が完全にわかっていなくても口に出せるだろう。
クロウはマスターに紙切れを見せ、言葉を指していて、まるで「説明してくれない?」と言っていた。
マスターの顔は暗くなるように見えた。
「っあ、よく燃えなかった。嘘ついても意味がないから、説明させて」
クロウは腕を組んで、まるで「どうぞ」と言っていた。
「その手紙……とある団体に仕事したの知ってる?助けた時?辞めるりゆっー違う、逃げる理由がクロウのクリエイターのために働いていた。だから、クリエイターにクロウを上げたら、殺す心配した。その手紙は……クリエイターから。彼らの名前を見ると、おかしいと思った。ほぼ信じなかったね。けど、本当に彼らだ。僕たち見つけた。それ気がついた時、起こしたかったけど、僕眠じゃった。4日間も起きてるのがだめね」彼女は笑った。「その人、クロウは手紙から取った、友達と思った、団体に仕事してる。彼がすぐにクロウ捕まえなかった理由はここに君を尾けた。もっと気をつけるべきだった。でも、今何もできない。塔の底に僕たちを待っている。塔を上るのがリスキーだっだから。何もっできない」
初めてクロウは、マスターは目から涙が流れることを見た。
初めてクロウは、マスターの口から「できない」と聞こえた。
初めてクロウは、マスターが可愛そうと思った。
頭を振った。彼は出て行き、展望台から見下げ、塔の底に人々を見てみた。誰もないようだけど、高すぎて見えなかった。
希望ではないの?知らなかった。しかし、諦めなかった。マスターはクロウに助けたから、今彼はマスターに助ける時間だった。彼の墨色の翼を見た。考えがあった。
事務室に戻った。マスターは、まるで夢中に、燃えた手紙を見下げていた。
クロウは彼女に近づき、後ろに立っていた。
「何してるのっわああぁ?!」
彼はマスターの腹を腕に包み、持ち上げてみた。彼女の軽さには驚いていた。手紙よりも重いのに、少なくとも可能だった。
彼女を降ろすと、慌てているように見えた。
「もう、クロウくん、びっくりした。何思ってるの?」
クロウは腕に包む振りをしながら翼が羽ばたいた。
「うん?何っえ?嘘?まさか運んでくれるの?」クロウはうなずいた。「いやいやいや、無理だ。無理だよ」
マスターはしばらく考え込んだ。そして、「……いいよ、やろうぜ!」
かばんに詰める後、クロウはマスターの手を掴んで展望台に連れて行った。パリに霧が落ち着いて、街並みを隠していた。下に、霧が塔を食べ始めるようだった。
今しかなかった。
クロウはマスターの後ろに行くと、彼女は「考え直して……」と言っているようだけど、すぐに持ち上げた時、悲鳴しかできなかった。やがて、クロウとマスターが霧上に飛んでいた。墓石のような建物が霧を突き刺していた。上に、真っ青の空であった。
落ち着くと、マスターは霧を見下げた時、日差しが霧の上にきらきらと踊っているように見えると気づいた。美しいと思った。赤毛のポニーテールがなくなっていて、髪が風に吹かれていた。
逃亡中の生活は生きる価値がある?その質問が答えれなかった。しかし、クロウと、そうだったのかもしれない。
マスターは笑った。「ねえ、クロウ、ここを出たら、読み方を教える。読めない意味がないね」
クロウは、うなずくと、物語の次の章に飛び続けた。
中原愛之助の短編小説集 中原 愛之助 @tonarigakirai
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