マリンスノーの恋人

@watappp

第1話

静かな海の中…。

『これで… 一緒になれる。』

『さようなら。』


自分の名前は「月森あたる」

私立高校を卒業し、一人暮らしと恋愛に憧れ社会人になったが理想と現実は違っていた。

一人暮らしは寂しいもので、友達の少ない自分はいつも狭い部屋で過ごす日々が続いていた。

友達が少ない理由は知っている。自分から『遊ぼう』と声を掛ける勇気がない。

断られるのが怖い。

“え… 君も同じ?”

自分と同じ人がいるんだね。

部屋を綺麗にして、いつでも友達が来ても大丈夫なように、グラスを四つ準備していても使うのは自分が使う一つだけ。

今年で 20歳になるから、いままでの自分から卒業しよう。

“一緒に卒業してみない”

じゃぁ、勇気を持って 今年の夏こそ恋愛をしてみよう。


とは言ったものどうやって勇気のない自分が恋愛? 彼女をつくるのか?

とりあえず、外に出る事からはじめました。

初夏の時期なので、ジーパンに白シャツ そしてビーチサン。これが自分の夏スタイル。

日差しが暑く今の自分にはかなりキツイ。

街を歩いていても、まわりは知らない人ばかりで、楽しそう歩くカップル。

やっぱり1人は寂しいな。

“ここで、家に帰ったらダメだよね?”

コンビニに入り冷たいビールを買ってベンチで一口飲んだ。マジでうまい!!

そんな時、自分を見て笑っている女性がいた。恥ずかしくなった自分は、目を背ける為にポケットからスマホを出し眺めるふりをした。

目をそっと女性の方に向けると姿はなくホッとする自分がいた。

少しはお酒の力を使って話しかける勇気があれば変われたのかなとちょっと後悔。

“君なら話しかけてたかな?”


何も変わる事がなく、月日が過ぎて ある夏の日に 会社の同僚と海に泊まりでバーベキューに行く事になった。

誘ってきたのは、早坂健二という俗に言うイケメン。自分の苦手なタイプ。

もう1人は宮下隼人。誰とでも話を合わせられるタイプ。

このバーベキューがきっかけで、自分の人生が大きく変わることになった。

バーベキューの夜…早坂健二が亡くなった。

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