第23話 女って強いね
スレイヤの歩調に合わせて、歩いていく。
だが、これが意外にしんどい。なんていうか、精神的に。
なってみたらわかると思う。自分のペースとかけ離れたスローペースで歩くのって意外にしんどい。
急にスレイヤが止まる。
「魔物です」
すると横からゴブリンが出てくる。
「よくわかったな」
前の時は警戒していたのが、今回はそこまで警戒していなかったはずだ。
ぎいぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ゴブリンは奇声を上げて、こちらに槍を持って突進してくる。
俺たちは難なくかわし切りかかる。
一撃で仕留める。
返り血が付いて、気持ち悪い。
グロテスクな死体をあまり見ないようにする。
ああ、気持ち悪い。
最悪の気分だ。
ユイは平然としている。
あいつ、強ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
メンタル、ダイヤモンドでできてるのか!?
「さあ、先を急ぎましょう」
スレイヤは先をせかす。
日が暮れてくる。
夜は危ないので、野宿ということになった。
スレイヤの指示どうりにテントを立てていく。
つくりは簡素で一本の棒に紐を括り付け、釘で地面にさすだけだ。
今日の戦闘は一回だけだったが、今後もっと増えていくだろう。
そう思うと気が滅入りそうだ。
スレイヤが夜中の見張りを申し出たが、話し合いの結果、交代ということになった。
くそまっずい飯を食って、寝る。
深夜にたたき起こされる。
「ケイ、見張り交代だよ」
ユイが知らせてくる。
「ああ」
俺は少し機嫌の悪そうな声を出す。
疲れているのに起こすなよ。
と言いたかったが、見張りだし、ユイも同じなので絶対に言わない。
大きなあくびをしながら、真っ暗の景色を見る。
何か見えないかなと思い、目を凝らしてみる。
目が慣れてきたのか、よく見えるようになってくる。
十メーター、二十メーターとどんどん見える範囲が増えていく。
これ、目の慣れとか言う範囲超えてね?
なんか、このまま失明するんじゃないかと不安になってくる。
これ、あれか、異世界転移特典か!?
てか、それしかないよね。
なんか副作用とかあったら嫌だなぁ
俺はそんなことを気にしながら見張りを続ける。
首がグワングワンなりながらも起きていると光が出てくる。
日の出だ。
あああああああああ、眠い。
少しすると、ユイとスレイヤは起きてきた。
ユイも眠そうだ。
俺たちはテントをしまう。
さあ、今日も歩こう。
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