第7話 食べる、それは生きること。

 俺たちは今、危機に瀕している。

 食べるものがない?

 ある意味で正解だ。

 現代日本の衛生的な生活を送っていた俺たちは、中世の食べ物を口にするとお腹を壊すことが分かった。

 どうするのか?

 それをユイと話し合う。

 最終的に出た案が三つ。


 一、無理して食べる。

 これはそのうち免疫がついて食べれるようになるということだ。だが、それまで、かなりつらい思いをしなければならない。


二、ヒールを常用する。

 これなら、つらい思いをしなくて済む。ただ、体調の悪い時に魔法を使えるかどうかが問題だ。それに、魔法で菌を消すわけだから、免疫がつかないかもしれない。


三、自分で作る

 これなら、どうにかして衛生的に作ればどうんかなるんじゃないか。

 いや無理だろ。

 どっちにしろ、二人とも料理が電気ないので却下。


 本当は一の案が確実だ。死なないか心配だけど。

 まあ、そんな覚悟があるわけでもないので消去法で二の案になった。

 一番未知数な案だ。うまくいけばすべて解決。悪ければ、一と変わらんな。

 



 部屋がノックされる。

 出てみると、メイドだった。


「お食事をお持ちしました。毒見は済ませてあります。ただ、万が一のことを考えて、お部屋で召し上がられるのが安全かと思いましたのでお持ちしました」


 夕食が机に置かれる。

 昼間と比べて簡素なものが多かった。


「では、御用がございましたらお声かけください」


 部屋から出ていく。

 料理の味は日本人には合わないものだった。

 ただ、今日の疲れと時差で眠気が襲ってきてどんな味かもわからなくなってきた。

 二人の会話がないのもそのせいだろう。

 眠気に負けて、食うことをやめる。

 どうやら、ユイももう限界のようだ。

 二人分のヒールをかけて、ベッド入る。

 すぐさま、意識がなくなった。

 これが、異世界転移の一日目だった。

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