第22話 極端な一族

 フェセナは目を覚ます。いつの間にか寮のベッドで人姿に戻っていた。フェセナはベッドから出て談話室へ行く。そこには落ち着きのないグレンとそれを面白そうに見ているエレメントと四獣。

 そして“シルゴード”。グレンと何かを話しているリュウ達が居た。


「し、シルゴード!?」

『おお~やっと目覚めたか~♡』

「な、何でここに!?」

『勿論、フェセナに会いにね~♡あそこ独りで寂しいから~♡』

『我等と四獣は引き続き大王と共に。』

「……うん。」

「あ、フェセナ、こっち来て!」

「どうしたの?」

「ほら言えって(笑)」

「い、言える訳ねぇだろ(赤面)」

「早くしないと俺が貰うぞ(ニコニコ)」

「何ぃ!!?」

「……何の話?」

「け、ケイリア……。俺、前からお前に言いたい事……あ、あるん、だ。」

「そうなの?」

「あ、ああ。俺……これからももっともっと強くなってお前を、幸せにする!!俺、“お前と友達の関係で居るのが嫌”なんだ。」

「えっ……?」

「あ、か、勘違いするなよ?お、俺が言いたいのは、その……。」


 グレンはチラッとフェセナを見る。

 フェセナは疑問の表情を浮かべている。


「っ、クソ……!口じゃ言えない!!」

「えっ、えっ!?」


 グレンは強引にフェセナを抱き寄せ、唇を奪う。

 今度はフェセナの顔が真っ赤になり、グレンは平然とした顔をする。


「……俺の物になれ。」

「おっ、言えるじゃねぇか~(笑)」

「か、かなり恥ずかしいぞ……。」

「さっきとは逆だな、フェセナが逆上せてる。」

「えっ!?」

「フェセナ、しっかりして💦」

『巫女長は16で死ぬからな~。そして里から出た事がない。だから好きでも告白してはいけないと言う掟まである。だからフェセナにとって恋やキスと言う物は初めて存在を知ったに等しい。』

「そ、それを早く言え!!」


 グレンはフェセナに駆け寄る。逆上せ過ぎて目を回してしまっていた。


「どんだけ極端な一族なんだよ……!」




「フェセナ、しっかりして……💧」


 遂には高熱を出してしまい、ソファで寝かされ、アオが膝枕をしながら扇子で扇いでいたが、目を閉じたまま応答はない。


「どーすんだよぉ……💧」

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