第19話 族長になる前の大仕事

「グレン……?」

「えっ……?」

「言え。」

「“4月16日”……。“丑三つ時、ユポチース・ロウロウディア”って……。」

「“約束の花畑”……!?」

「知ってるのか?」

「あ、ああ。歴代の“大王”が必ず命を落とし、肉体でさえ消えてしまうと言う王にとって不吉の象徴の場……!」

「ドラン、他には?」

「え、えと……“邪王の首を取り、共に朽ちる”って……。」

「邪王……。裏社会のボスじゃないか!!」

「つーかちょっと待て。4月16日って明日じゃねぇか!!」

「丑三つ時は深夜2時。朝2時って所か。」

「1日もない……。」

「リュウ、その花畑の場所、何処か分かるか?」

「あ、ああ!丁度、この前一泊移住で行った山だ!グレン達が山菜狩りに行った山だ!」

「良し、希望が見えてきたぞ!族長になる前に1つお仕事終わらせっぞ!」

(皆)「「「「「おお―――!!」」」」」

「知り過ぎたな。」

「えっ……!?な、何で貴方が……!!」

「ククク。私が“邪王”だ。君達にも恐怖と絶望を味わってもらおう。」


 謎の人物がグレン達を闇と激痛の中に引き摺り込む。

 グレン達は苦しみ、叫びながら闇の地獄へ吸い込まれた。

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