第16話 小さな拳に込められた大きな決意と覚悟

「フェセナ、フェセナ。」

「ア、オ……?」

「朝だよ。」


 フェセナは目を覚ます。どうやら寝てる間に部屋に運ばれたらしい。


「何かして欲しい事、ある?」

「エレメント練習室に連れていってくれない……?」




 そこは部屋の4つの角に4つの壺のある部屋で他には部屋の中央にソファがある部屋でアオはフェセナをソファに座らす。


「この部屋、一体何なの?」

「とりあえず座って。“面白い事”が起きてるから(笑)」


 アオは疑問に思いながらもフェセナの隣に座れば4つの壺がそれぞれ赤。青。黄緑。茶に光り輝く。


「えっ!?」

『『『『我等をお呼びですか、大王よ。』』』』


 青い壺からはアクアマリンの鱗を持つ龍、ウンディーネ。赤い壺からはルビーの鱗を持つ龍、サラマンダー。黄緑の壺からはエメラルドの鱗を持つ龍、シルフ。茶色い壺からはタイガーアイの鱗を持つ龍、ノームが現れ、2人の前に現れる。


『ギャッ!?巫女長様、何ですそのお姿は!?』

『お痛わしや、大王よ……。何処のど奴です?我が祟ってくれましょう。』

『貴女様はこの世界において神に等しく何よりも尊きお方。そのフェセナ様に手を出そうなど、言語両断。』

『我等が呪い殺してくれましょう。さぁ誰なのです。誰なのですか、主様よ。』

「こ、これが……エレメント……。」

『な、何です?この娘は。』

『ま、まさかこの娘が……!?』

「変な妄想は辞めなさい。この人は私の友達よ。」

『なんと!それは大変失礼致しました。ですが主様、私は嬉しく思いますよ。主様にお友達が出来る日が来ようとは……。私は感動しました!』

「大袈裟だなぁ。」

『大王よ、今日はどのようなめい(めい)を頂けるのですか?大王の命とあらば、何でも叶えて見せましょう。』

「“四獣”も呼んでもらえない?」

『『『『仰せのままに。』』』』


 4人はポンッと音を立てて消える。


「ふぇ、フェセナ。あ、あれ何?」

「エレメントよ。青いのがウンディーネ。雌で水の精。赤いのがサラマンダー。雄で火の精。黄緑はシルフ。雌で風の精。茶色いのがノーム。雄で地の精。」

「四獣って言うのは?」

「“東西南北の守り神”。」

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