第12話 フェセナを襲い、狙う者達の尾

 フェセナ達の飛び上がりたい程驚き、声の主を確かめようとするが突然真っ暗闇になりバタバタと倒れる音と悲鳴が響き続ける。


「な、何だ!?」

「私でも分からない!!」

「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」

「フェセナ!!」

「ど、何処にも居ない!?」

『何処を捜しているんだい?』


 また突然明かりが点く。

 α組以外は殆ど気を失って倒れており、8mの巨大な大蜘蛛が鎮座している。

 その背後にある空の倉庫の扉が開いて大きな蜘蛛の巣で蓋がしてあった。不思議な事にその向こうは血のように赤い水で床から天井。壁から壁まで入った水槽になっていて水漏れは一切していない。その中で血を流しながら溺れ、傷だらけで気を失っているフェセナが居た。


「フェセナ!!」

『やれやれ、惜しい事をする所だった。まさか生き残りが居るなんて。早く君達を倒し、僕が“喰ってやらないと”。それでこの子はやっと家族に会える(ククク)しかも“巫女長みこおさ”とは……。フフッ、どんな味がするだろう(笑)』

「それは困る。」

「「「「「こ、校長!?」」」」」

『お前、何だ“その姿”は。』


 校長を知ってる……?


「さぁな、私がどんな姿をしようと私の勝手だ。」

『で、僕に喰わせてくれるの?』

「お前を滅ぼしに来た。」


 2人から突風が発生し、2人の魔力が膨れ上がる。それで意識の戻った生徒達は一目散に逃げる。

 なっ……!!?


「ここは私に任せ、君達はケイリアさんを救出しなさい。」

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