第9話 一泊移住 ~コンビ決め~

「やっと来たな。」

「ごめんごめん、お風呂入ってて。」


 ジャージ姿で風呂上がりのフェセナ達が談話室に入る。

 男性陣は夜食を摂っていた。


「わぁー、お菓子―――!」

「座って食べなさい。」

「ケイリアも。」

「う、うん。」


 フェセナはグレンから赤くて丸い物を貰うが彼女には何なのか分からず、不思議そうに見ていた。


「フェセナ、どうしたの?」

「これ、何……?」

「こ、これが何か……知らないのか?」

「う、うん。菓子は分かるけど、和菓子しか食べた事ない……。というかこれ、食べ物?」

「凄いわね、箱入り娘。」

「えっ!?」

「これは飴って言うんだ、食べてみてくれ。」

「噛まずに舐めるのよ。」


 フェセナは飴を口の中に入れ、言われた通り口の中でコロコロ転がしてみる。


「どう?」

「飴って、林檎の味がするの……?」

「いや、他にもあるぞ。」

「食べたい!」

「あ、そうだ。皆、明日の大会……どうする?」

「僕はタッグ。相方はグレンかケイリアさんにお願いしたい。」


 け、ケイリアさん……?


「そういえば特別ルールが入ったよ。」

「特別ルール?」

「3対3のトリプルバトルが新しく追加されたの、それに出たら?」

「と言う事はケイリアさんの二つ名を決めないと。」

「えっ……?」

「αクラスでは二つ名を持つ決まりがあるんだ、さて……何が良いかな……。」

「正体がバレない名……。」

宵闇よいやみ煌夜こうや。宵闇の夜に煌めく……って意味は?」

「似合って、る……。」

「じゃあ決定。グレン、ケイリアさん、作戦練るよ~。」

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