第6話 一泊移住 ~山菜探し~

「フェセナ、大丈夫か?」

『う、うん。』

「ここら辺……。キノコ、多い……。」

「探すぞ―――!」

『ね、ねぇ……。』

「どうしたの?」

『リュウとプローズンに任せて……良かったの……?』

「大丈夫、きっと鱗取ったり内蔵取ったりって下処理だけ……あ、あったよ、松茸!」

「これ、食用か?」

「それ、毒……。」

「何っ!!?す、捨ててくる……。」

「アハハ!グレンの奴、楽しそうだ。」

「たまにはこういうのも良いわよ。」

『この草、何?』

「それ、双葉ふたば草……。イチョウが2つ付いてるようなのが特徴で、明るい緑色に光る……。食用で、磨り潰せば薬になる……。普通の薬草より3倍……治り、早い……。深い傷に使う……。」

「じゃあ取っとかないと♪」

『“来る”……。』

「何が……!」


 グレンはフェセナの左腕を掴んでいる手が震えているのに気付く。


「ケイリア……?」

『逃げ、なきゃ……。殺、される……。』

「!」



 『彼女はまだある者に追われている。』



「全員左右に散開!!」


 山の上からとても大きな大蛇が現れ、フェセナ達の目の前に来る。

フェセナは全く動けず震えるだけ。

大蛇はフェセナに襲い掛かる!!


「フェセナ!!」


蛇……。蜘蛛……。クラゲ……。蠍……。“人喰い”……。


「燃えろ!!」


 地面に座り込んでしまったフェセナの前に立ち、大蛇を炎で包み込む。しばらくすると大蛇は灰となり地に還る。


「2人共、大丈夫か!?」

「ケイリア、怪我……ないか?」

『……なさい……。』

「えっ……?」

『ごめん、なさい……。私の……。私、ここに居る……所為で……。み、皆、まで……。』

「気にするな、誰もお前が悪いだなんて思ってねぇから。」

『グレン……!!』


 フェセナは立ち上がり、グレンに抱き付いて泣き始める。

グレンは初め、驚きで目が点になったが少し戸惑いながらもフェセナを抱き寄せ、フード越しに頭を撫でる。


『ごめん……ごめんね……!』

「俺達はお前の味方だ、遠慮なんて要らない。1人で抱えられないと思ったら頼れ。絶対何とかしてやるからよ。」

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