第5話 一泊移住 ~釣り~

「ん……。」

「フェセナ、大丈夫!?何処か痛い所ある!?」

「ア、オ……。」

「大丈夫、寝惚けてるだけで大した問題はないさ。」

「良かった……。」

「フェセナ、これ着けて!」

「コン、タクト……?」

「カラーコンタクトね、金銀天龍族程じゃないけど幾つか違う属性の魔法も使える黒鳥族に合わせてみたわ。」


 フェセナは黒のコンタクトを着け、欠伸をする。


「おおー、よく似合ってる!」

「うん……。」

「……大丈夫?」

「うん……。」

「そろそろ目的地だ、準備するぞ。」

「何の……?」

「釣りだ。」




『釣りが授業……?』

「いいえ、魔力の力試し。今は他のクラスがやってるから暇潰しよ。」

『何が釣れるの……?』

「色々釣れるぞ、泉って言っても湖程の大きさなんだが、淡水魚だけでなく熱帯魚も釣れるんだ!他の海の魚や貝なんてのも釣れる!後、見た事ない魚もな!だから神秘の泉ってんだ!」

『そ、そうなんだ……。』


 キャラが変わってるような……。


「グレンは大の釣り好きなんだ。あ、ちなみに釣った魚は僕が安全に料理するからね。」

「グレンの料理も良いぞ。」

『グレンとリュウ、料理出来るんだ……。』

「おうよ、今日は2人で作ろうぜ!」

「じゃあ僕は包丁研いどくよ、何だか今日は凄い事になりそうだから。」

「じゃあ私、調味料~♪」

『釣らないの……?』

「僕、料理専門。」

「私、じっとしてるの嫌~い。」

「私は一緒に釣りするわ。」

「俺も。」

「俺、山で獣狩り。」

「ドゴンに便乗。」

「俺も、釣る……。」

「俺、薪集め。」


 ただのキャンプ!?


「私はコクと他クラスの強化練習大会の見学。」

「俺は釣り。」


 確かに一貫してない……。


「ケイリアも釣りだよな!」

『う、うん……。』


 か、可愛い……。


「しゃぁ!!張り切っていくぞぉ!!」

「ドジ踏んで怪我しないようにね。」




「大漁だ―――!」

「グレン、加減を知ってくれ……。」


 グレンだけで25匹と言う異常値を叩き出し、全て海水魚だった。


「私は鮎2匹……。」

「俺は鮭1匹……。」

「俺、カジキ……。」


 凄っ!?


「俺、鯛な。」

「フェセナ、どうだった?」


 フェセナは異空間のゲートを人差し指で開く。

 すると、見た事もない魚が10匹も捕れていた。10匹共、虹色に輝くとても綺麗な魚だった。


「綺麗―――!」

「それ、レイシュ。人によって……味、違う……。」

「大物だな!」

「全部で38匹……いや、40……。さっきドゴンとカインが鹿とか狐取ってきたから野菜類がないとかなりバランスが悪いな……。」

「共喰いだ。」

「うん……。」

「山菜、探しに行こう……。」

「だな!」

「こいつ、キャンプとか遠出好きなんだ。」


 アウトドア……。


「じゃあ行くぞ―――!」

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