午前十時

皺の寄ったシャツを拾い上げ、袖を通す。

冷えきった布地に身を包まれる感覚に、早くも冬の訪れを感じた。


彼女に袖を引かれ、「一回だけ」と合わせた唇。

「あと一回」「もう一回」「あと少しだけ」

寝惚けた心身には些か強い刺激に、じわりじわりと流されてゆく。


窓から射し込む朝の陽が、再び脱ぎ捨てられたシャツを照らす。

ぬるい麦茶を流し込む彼女の横顔に、言い様のない満足を覚えてしまった。


あぁ……なんと怠惰で、贅沢な休日!

私はきっと“「大人」になってしまった”

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無題 華宗 @hrmn

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