第7話

付き合いだして半年が過ぎた頃には俺の家に志穂が来るようになっていた。家族にも志穂を紹介していたので泊まる事もあった。相変わらず琳は志穂に対してライバル視していた。

「琳、海斗を諦めてお爺ちゃんのお嫁さんはどうだ?」

「イヤ、おじちゃんが良いの。」志穂が家に来る度に家族が琳を宥めていた。志穂も気を使ってか来る度に、琳にお土産を持って来ていた。

「志穂さん、気にしなくていいのよ。」姉貴も母さんも言ってくれていたが

「私があげたいので気にしないで下さい。」と志穂が言った。

「琳ちゃん、もうすぐ誕生日でしょ?当日は私、仕事で来られないかもしれないからプレゼント持ってきたの。気に入ってくれるかな?」そう言って琳に渡した。

ライバルからのプレゼントは貰いたいような貰いたくないような複雑な面持ちの琳だったが、姉貴から

「折角だから貰ったら?」の言葉に

「…ありがとう。」と受け取った。

「琳、開けて見ろよ。」

「うん。」包装紙を破いて中を見た瞬間、琳の顔が明るくなった。

「琳が欲しかった物だぁ、やったぁ。」と大喜びだった。そりゃそうだよ、俺がリサーチして志穂に教えたんだから。

「志穂ちゃん、ありがとう。大事にするね。」

「良かった。琳ちゃんが気にいってくれて。」俺と志穂は目を見合わせ作戦が成功したなとお互いに頷いた。すると琳が

「志穂ちゃんならおじちゃんのお嫁さんになってもいいよ。琳と一緒にお嫁さんになろうね。」みんなが爆笑した。

「琳ちゃんに認めて貰えて嬉しい、ありがとうね。」

「琳には適わんなぁ。」と親父が頭を擦った。二人の様子を家族皆が微笑ましく見ていた。俺は今が一番幸せだと感じていた。

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