4話 オタクが覚醒すると――な感じ

「織田信長、やっぱり俺は一番好きだな!」


力説してる俺。話題は


(戦国時代で、好きな人)

ゲーオタの俺、歴史ゲームも、相当プレイしてる。だから、この話題に食いつくのは当然。1週間は話が出来る。


「若いころは、うつけもの、とか言われてたんだよ!」

俺、ももる、ゆいちゃん。いつもの3人。


「そして、家督を継いで、いよいよこれから・・なんだ!」


「へーすごーい!」

「さすが詳しいですね、蓮人さん」


2人が関心してる!俺の話を聞いて!なんて嬉しいんだ!このままもっと話をしたい・・!


ベルが鳴る。


「授業ー」


「あ・・」


(もっと・・聞いてくれ!)

俺の歴史にかける思いを!2人に、いや、世界中に、知ってもらいたい!


次に集まる時が待ち遠しくて、授業どころじゃない!


―――――


「・・そして桶狭間の戦いだ!」


授業が終わると、続きを話し始める。ああ、気持ちいい!2人が聞いてくれてる。俺みたいなゲーオタの話を。ももる、実は凄く優しいんだな。


「もっと聞きたいよ、蓮人君」


「もちろんだ!聞いてくれ、ももる!信長は・・」


ベルが鳴る。


いいとこなのに!学校が閉まってしまう・・いや、このまま話してやろうか?今の俺を止めることなんて出来ない!


「・・蓮人さん。帰らなくては」

真面目だなあ、ゆいちゃん。でも、今は、その真面目さは全く要らないんだよ!


「あたし、まだ聞きたい!」

よくぞ言った、ももる!初めてかもしれない、ここまで同調したのは!


「もちろん!聞かせる!」


―――場所をカフェに移して、更に話す俺。


「・・で、信長は天下統一を目指すんだ!」

熱く語る。今の俺は無敵状態!


「あの・・蓮人さん、時間は、大丈夫なんですか?」

(余計なお世話だよ、ゆいちゃん!)

時間がなんだ!今の俺を止められるものなんて、この世にない!

俺の話を、黙って聞けばいいんだよ!なあ、ももる!?


「うんうん、それでー?もっと聞かせて―!」

さすが解ってるな!


「ねえ、お茶で喉うるおそー?信長さまー」

俺が・・信長?うおお・・!


「茶をもてー!」


「信長さまー、いちごも追加でいい―?」


「追加じゃー!」


「メル!調子に乗らないの!・・もう帰りましょう蓮人さん?」」


(何を言う、ゆい!水を差すな!これからだぞ!)


「えー残念ー」

(だろ、ももる!?もっと聞きたいだろ!)


しかし、2人は席を立ってしまう・・

(おい?どこに行くんだ?!)


「ごめんなさい、ももるが迷惑をかけてしまって。それでは、また学校で会いましょう」

(嘘だろ、帰ったぞ・・?!)


折角テンションが最高になったのに、ここで話が終わってしまう。

・・これからなのに――!


いやいや!明日も俺の話は続くからな!

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