2話 学園祭という体を

学園祭の準備。

俺はこの時のために、自作ゲームを作った!皆にやらせるのが楽しみだ!


「面白ーい」


ももる!いつのまに?勝手に俺のゲームを、プレイしてるし!


「な・・何してるんだよ?」


「テストプレイだよ」


「いや、頼んでないだろ!」


「でもテストは大事だよね?」


「・・まあ、そりゃそうだけど・・」

(なんで、ももるがやるんだよ?俺のゲームなのに!)


「危なーい。ああー」

ゲームオーバー。もういいだろ?帰ってくれ。


「ここ、難しすぎるよ?もっと簡単にしなきゃ?」


(なんで、言われる筋合いがあるんだ!?)


「・・いや、それくらいの方が、やりがいあるんだよ」


「そう?だって学祭に来るのって、女子も、一般人もいるし、やりやすいほうが良いと思って」


ぐ・・なんとなく痛いところを、つくんだよな、ももるは。そんなことは知ってるけど、俺はゲーマーとして、簡単にするっていうのはプライドに関する問題なんだよ!


「これじゃあ、利益も上がらないし―、予算も増えないよー?」


う・・うるさい・・俺はこれで行くんだ!正論なだけに余計腹が立つ。


「・・アドバイスはありがたいけど、これは俺の問題だ。準備があるから帰ってくれないか?」


なんとか帰ってもらって準備に入る。


「ふう、危なかった」


―――――


そして・・後日、


ゲームは完成する。完璧だ!非の打ち所がない!

さすが、俺のゲーム!


「いい出来だねー」


(!?)

いつの間にか、ももるがプレイしてる!まるで忍者だ。


「ちょっと、勝手に、やめてくれないか?」


あっさりゲームオーバーになる、ももる。もういいだろう?前(難しい)とか、言ってたよな?けど、俺は難易度を、変える気はないからな!


「面白ーい!」


「・・は?」

まさかの言葉。


「あたしが間違ってたよ、(難しい)なって言ってごめんなさい」


更に、まさかの謝罪に、パニックになる。


「い・・いや、別に・・」


「蓮人君はセンスあるね」

更に褒められてドキっとした。素直に嬉しい。


「人、沢山来るよ」


「そ・・そうかな?」


「うん、だから、入り口に置くのはどうかな?」

学園祭の出し物の地図を見せる。


ここかあ・・うーん。立地はいいけど。雨降ったら大変だなあ。しかも、あまり目立っちゃうとなあ・・。


「こんな面白いゲームは、皆に見てもらわないと!」


「そ・・そう?」

嬉しい事を言うな。


「こんな感じだよ?良いと思うけどー」

設置したイメージ図を、俺に見せる。確かに・・いいかも?


「決めちゃう?」


「・・・うん!そうだな!」

俺はそこに置くって約束の、ハンコを押した。

ああ・・なんて愚かな。まんまと、乗せられた。


――――


学園祭当日。


「また来てねー、ありがとー」

メルの店。大盛況。 


「ありがとうございました!」

クラスメイトの店、大盛況。


俺の自作ゲーム店。


「・・・・・・・」

ずーっと、1人のゲーマーがプレイしてる。ムズすぎた難易度で、一般人は誰も出来ずに。結局、俺と同類の、ゲーオタがずーっとやってる・・


立地は、人は行ったり来たりして、良いんだけど。このゲーオタのせいで全く俺のゲームが、全く皆にプレイしてもらえないんだけど!?

・・悔しいけど、ももるの言った通りになってしまった。


「どうー?蓮人君?」


「見れば、わかるだろ・・」

一般人は皆、他の店に流れて行く。そういう意味では広告にはなってるけど・・。行く先は、ももるの店っ!結局、そう言う事かい!


「上手いねーあの人?」


「・・そうでもないよ、アイテムを取るタイミングはまだまだだな・・。俺の方が上手いよ」

精一杯の言葉を返す。


(このオタク!早くゲームオーバーになれっての!)


――――


・・5時間後。もう、負けてくれないか?ゲーオタよ。とっくに文化祭は終わってるんだ。なんで俺の店だけが不自然に開いてるんだよ。みんな、片付け終わって、帰ってるって言うのに。


・・ただ、俺もゲーマーの意地がある!こちらからは絶対止められない!こいつがゲームオーバーになるまでは!


辺りはもう真っ暗。

結局、利益なんてなし!


「蓮人くんのお陰で、盛況だったよー」


ももる・・。そりゃ、俺の店以外はなっ!

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