第18話「最大のピンチ」

2071年 4月


新達は中学2年になった。


定期的に組織に潜入して、加賀とも連絡を取りあっていた。

あと何故なぜかグレムリンが俺達の傘下になった。


暴走族の間ではリーダー同士の決闘で負けたチームが勝ったチームの傘下になるというルールがあるらしい。


◆◆◆


放課後 教室 2年B組


慶子「次はルートゥス教本部に潜入するよ!」


清十郎「いつか来るとは思っていたが、やっぱやるしかないか!」


達也「何であんまり乗り気じゃないんだよ!」


清十郎「熱心な信者は何するかわからないからな…。噂によると信仰の為なら命を投げ出す人もいるらしい。ある意味、暴力団より危険視すべきだと思う…」


達也「俺達には今までの経験があるから何とかなるだろ!」


清十郎「…」


◆◆◆


数日後 ルートゥス教ビル前


達也「すげぇな!このビル!」


慶子「ルートゥス教本部は高さ500m、ジャホンで2番目に高いビルよっ!中にはルートゥス教関連の会社が商業を行っているの!今日は最上階の92階の会議室で幹部会が行われるって情報をキャッチしているわ!」


4人はいつも通りステルス迷彩を着用して、潜入を開始した。


最上階まで超高速エレベーターに乗って、難なく会議室に潜入できた。


そこには地上500mからの景色が窓越しに一望いちぼうでき、その中には男達が椅子に腰掛けていた。


幹部A「定刻になりましたので今からルートゥス教幹部会を始めます。」


幹部A「今全国の信者は1989万人、数字は5年程横ばいを続けています。お布施ふせや各ルートゥス教傘下企業の上納金は1年で5兆2300万円は前年度比3%増加しています。続いて「ルートゥス化学株式会社」の岩田社長、報告をお願いします。」


岩田「コラオを製造は順調です…以上です。」


この淡白たんぱくに報告を済ませた男はジャホン1の化学メーカー「ルートゥス科学」の社長である。

悲壮感が漂っており、落ち着かない様子だ。


慶子「{コラオだって!?確か、かなり致死率の高い猛毒の名前だったはず…}」


幹部A「順調とかじゃなくて具体的な数値で言ってくれませんか?いつどのくらいの量を作れそうとか」


岩田「そ、それは、、、」


岩田は下を向いて少し怯えてるように見えた。


幹部A「こちらは潰れそうだったあなたの会社に5000億も投資して再建したんだっ!その恩を忘れていませんでしょうね?」


幹部Bが岩田に詰め寄った。


岩田「…しかし、…このプロジェクトが完成したらほんとうにジャホンが……ジャホンどころか世界がっ!!」


岩田は震えながら声を振り絞った。


幹部A「あなたの感想なんてどうでもいいんですよっ!このプロジェクト、できなかった時のあなた、そしてあなたの家族がどうなるかご存知ですよね?逆に成功した時はあなたの家族の一生が保証されるんですよ?」


飯室は岩田の発言に間髪かんぱつ入れず、恫喝どうかつするように言った。


岩田「…はい」


岩田は憔悴しょうすいした様子だった。


岡「コラオ大量製造は神のお告げだ。そして、神は絶対だ。何も迷うことはない。きっと神があなたを幸せに導いてくれる。」


この白衣を着た、白髪で小柄な男は岡おか龍斗りゅうと。人を癒す力と、全てを破壊する力を持っていると言われている。


岡「ところで…」


穏やかな岡の顔が一変する。


岡「招かざる客がなぜ4名もこの部屋にいるのかな?」


会議室が凍りついた。


清十郎「{やばい!なぜバレたんだっ!どうするか…}」


幹部A「セキュリティ!!至急サーモグラスを装備の上、最上階会議室へ!」

※サーモグラスとはサーモグラフィ機能が付いたサングラスである。


慶子「{セキュリティの中に大人のインクベーティストがいたら勝ち目が薄いっ!ココは地上500mっ!万事休ばんじきゅうす!!}」

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