第14話「復活」

2071年 1月 教室 1年A組


久しぶりに朝、慶子が登校してきた。


達也「お前!大丈夫かよ!」


達也、新、清十郎が慶子の元へ駆け寄った。


慶子「達也っ!今日の放課後、私とエボリティ格闘術で勝負して!!」


新達3人は唖然あぜんとした。


達也「病み上がりでそんな事して大丈夫なのかよっ!」


慶子「いいからっ!絶対本気でやってよ!」


◆◆◆


放課後 グラウンド


達也と慶子が向かい合っている。清十郎が審判として、その真ん中で立っている。


達也「全く!突然わけわかんなぇけど、怪我しても知らないぞ!」


慶子「…」


清十郎「両者前へ!用意…始めっ!」


達也が躊躇ちゅうちょしている間に慶子が達也に詰め寄った。


達也「{はやい!女のスピードじゃねぇ!}」


慶子の蹴りが達也の太腿ふとももにヒットする。


達也「{ぐっ、重い…こんな細い足で何という威力…}」


慶子「{スピードもパワーも負けていない。の性能…半端じゃない}」


達也「やるかぁ…最大出力…距無脚きょぶあし!」


達也が一気に間合いを詰め、慶子の腕を掴んだ瞬間、慶子は合気道の応用で達也を倒して、十字固めを掛けた。


達也も一瞬何が起こったかわからないくらい、スムーズな一連の動作だった。


達也「{動けねぇ…}」


達也は力一杯ちからいっぱい技をはずそうとするが抜けれない。


清十郎「ギブか?」


達也「クソぉ………ギブアップ!」


達也「そこまで、勝者、一条いちじょう慶子けいこ!」


慶子「やったー!」


慶子は飛び跳ねて喜んだ。


慶子「よしっ!このスーツさえあればみんなの足手まといにならずに済む!」


新「スーツ?何か着てるの?」


慶子「制服の下に例のカタログで購入した「パワースーツ」を着てるの!これさえあれば身体能力が飛躍的に向上する!」


清十郎「なるほど、どうりで達也が近接戦で負ける訳だ!」


達也「女に負けた…」


新「まあ、相手は「パワースーツ」を着てる訳だから気にすんなよ!」


新と清十郎が励ますものの、達也は相当ショックを受けたようで、肩を落として一人で帰った。


◆◆◆


帰り道の路地裏、達也は1人の高校生が複数の不良からカツアゲされてるのを目撃した。


高校生「ひぃ……本当にこれ以上持ってないですっ!勘弁してくだい…」


不良A「1000円とか、小学生かよっ!2時間待ってやる。それまでに2万集めて来いっ!」


不良B「お前の学生証は俺が持ってるからさ〜!サツにちくったり、ばっくれたりしたらやっちゃうよ〜?」


達也「{くそ、イライラしてる時にさらに不快な物を見てしまった。}」


不良A「何見てんだコラァ、早く行かないといじめんぞコラァ!!」


不良B「こいつ開能中学の制服じゃね〜?」


不良A「自分がインクベーティストだからって調子乗ってんじゃねぇぞコラァ!」


不良グループと達也が睨み合う。


不良A「一丁前にガン飛ばしるぜこいつ《笑》なめんじゃねぇぞコラッ」


不良Aが達也の胸ぐらをつかんだ。


達也も掴み返した。


達也「こっちは今日イライラしてんだ!弱い奴しか相手できねぇ雑魚ざこがうだうだ言ってんなよ!」


そういうと感情をあらわにした不良達が一斉いっせいに達也に襲いかかった。しかし一般人とインクベーティストの力の差は歴然だった。


1分とかからないうちに不良グループは横たわっていた。


「ピーポーピーポー」


通りすがりの人が警察に通報してパトカーがやってきた。


達也は警察署に補導された。


◆◆◆


翌日 夜


達也はその日、学校を休んで気分転換にコンビニまで雑誌を立ち読みしに行った。


しばらく雑誌を読んでいると、コンビニの前に次々と騒音を鳴らしながら走るバイクがやってきた。

全員特攻服を着ており、暴走族のようだ。 


不良A「あいつです…」


真っ先にコンビニに入って来たのはこの前やっつけた不良だった。


顔はあざだらけになっている。どうやら中学生に舐められたという理由で暴走族仲間からリンチにあったようだ。


新手あらての不良「ちょっとツラ貸せや!」


外には数え切れない程のバイクが並んでおり、達也は逃げれそうになかった。


達也はバイクの後ろに乗せられ、見知らぬ河川敷まで連れて行かれた。

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