第22話

『はあ……ナコは退屈なの』

『――俺からすれば願ったりかなったりだ』

『露木さん。なんだか久しぶりに感じますね』

『あれから1週間か。うおっと!? モルモットも元気そうだな』

『ナコはそうでもないの』

『ごめん、そうだよな』

『なにかご用でしょうか。ナコはモルモットのお世話が終わり次第、すみやかに帰るつもりですが』

『予定でもあるのか?』

『いえ、特には』

『そいつはいいや。じゃあはい、これ』

『……シナリオ本?』

『ほらその、あれだ。俺は《ゲーム倶楽部》に入ったばかりだから、キーパーとか難しくてよ』

『――なるほど。そういうことですか』

『頼めるか?』

『もちろんなの。新入部員のお世話もまた、れっきとしたクラブ活動ですから』

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