第7話

誰だろう…また突然のことで動きが止まってしまった。


「白羽君、私、隣のクラスの飯島って言います。今のちょっと聞いちゃった、ごめんね」

「え、あ、三好さんとの…うん、大丈夫です」

「それで、付き合いたいと思った?」

「え?」

「三好さんと付き合うのかなって…」

「いやいや、あれは冗談でしょ!」


「…そうだね、冗談かもね。

でもうちのは冗談じゃないの、好きです。お付き合いしてくれませんか?」


…何なんだこのサプライズの連続は。


雰囲気的に冗談には思えなかったし、俺より赤面しているであろう飯島さんを見たら、しっかり返事をしなければならない気がした。



この子のことはよく知らないけど、悪い子ではなさそうだ。付き合いながら知っていくのは良いのだろうか?でも好きになれないとわかったら傷つける…それに俺が今好きなのは…



「…ありがとう、本当に嬉しいけど好きな人がいるんだ。三好さんじゃなくて、1年の頃から。俺もその人にいつか告白したいんだ」


「そっか…うん、ちゃんと迷ってくれて返事してくれてありがとう!その素直さと可愛い所を好きになりました!ありがとう…」


飯島さんは泣きながら下駄箱への階段を降りて行った。



時間が経って告白された、という実感が持てて誠実すぎた!という後悔とラブハプニングデーすぎる!という照れから帰宅するのにしばらく動き出せなかった。


それにしてもいろんな人から可愛い、素直って言われるのはなぜだろうか?


小指に自然と着けていた指輪が夕陽に照らされてオレンジ色になっていた。

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