第6話

ホームルームが終わって帰る準備をしていると、最近は登下校の時だけ小指に着けていた指輪がないことに気付いた。



「あれ…どうしたんだっけな…」

「どうしたの?」


席が斜め後ろの三好さんが声をかけてくれた。


「ちょっと無くし物をしたみたい」

「何をー?」

「シルバーの小指くらいの…」

「あ、いつも朝外してるリング?」

「知られていたのか、それが無くて」

「まーね…時間あるし私も探してあげるよ」

「え、悪いよ!」

「いいのいいの!」

「…ありがとうね」



教室に俺と三好さんだけになってから、三好さんから話し始めた。


「最近さ、白羽君目立つよね」

「皆がからかってくるだけだろ、そんなことない」

「あはは、本当素直な性格だよね、からかいやすい」

「いつか仕返ししてやるかな」

「何それ!…ねーね、今までに彼女とかいたの?」

「な、何でそんなこと聞くんだよ…」

「お、その反応はいなかったでしょ〜」

「はいはい…あ、カバンの奥底にあった、ごめん」


「私のこと、試しにさ、初の彼女にしてみるとかどう?」



突然すぎて何も反応出来なかった。きっと顔には驚きが思いっきり出ていたと思う。


「え、それって…」

「…なんてね!あは、その顔明日忘れずに田中にでも言うかなー!見つかって良かったね!じゃあね〜」


そういって彼女は教室を出て行った。



冗談だったのか…?!

それでもドキドキが止まらない、顔も熱い…


告白された訳じゃない、自意識過剰になるな!俺が好きなのは上村さん…



考えながら教室を出ると廊下でしゃがみ込む、1人の女子と目があった。

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