2020/08/15:「戦後? なにいってるの」

上は、あるアメリカ人の女性が発したことばだそうです。

アメリカは常にどこかで戦争をしている。

だから、母国が戦争状態だという認識があるのです。

たしかに第二次世界大戦は終わっている。

けれど、世界中でいざこざが絶えない。

そのほとんどにアメリカが絡んでいる、というわけです。





〜空襲は怖くない、逃げずに火を消せ〜


太平洋戦争末期の度重なる空襲に恐怖する国民に向けた、日本政府からの鼓舞のことばです。

前触れもなく繰り返し襲来する爆撃機。

おびただしい数の爆弾が降り、街のひとびとは逃げ惑います。

こんな敵に勝てっこない、と思いながら。


わたしの大好きなSF作家、光瀬龍先生は、東京に住んでいた中学時代に何度も空襲を経験されています。

先生がある本で以下のような記述をされていたのを思い出します。


〜焼け出されて暗い街をさまよっていると、たき火を囲む者たちが見えた。凍えそうな寒さをしのごうと寄っていくと、火の源は燃えている人間だった。自分もそこで暖をとった〜





〜私たちは、昨日のことも明日のことも考えなかった。信じていたものすべてが、ウソっぱちだったとわかったんだから。ただ、その日のために生きていたのよ。楽しく、楽しく、楽しもうってね!〜


これは、終戦後にアメリカ人といっしょに海を渡った女性たちのなかのひとりのことばです。

実に4万5千人が米兵と結婚したとのことです。


〜何も考えなかったわ。ただ外の世界へ逃げ出したかっただけ〜


〜日本の男性たちは拒否したら諦めてしまうものだったわ。でも米国人男性はとっても粘り強かったのよ〜


〜父親たちと心を通わせるために、米国人男性たちがどれほど優しくまた頑固にアタックしたか〜


〜1952年時点において、米国内の半分以上の州で異人種間の婚姻は禁止されていた〜


殺し合っていた敵国の娘に恋をしてアタックして、いっしょに帰国して差別を受けながら結婚する。

「自由の国」は、それぞれが自由。

全体主義よりも、いくらかマシだったかもしれません。





戦争は終わったけれど。

平和を謳歌しているけれど。

では、いまのままでいいのか?

わたしたちは守っていればいいのか?

祈っていればいいのか?


戦後だとは思っていないひと。

生き残ろうと必死なひと。

生命力を発揮する若者たち。


わたしは彼らから何かを学びたい。





終戦記念日に記す










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