第3話 結婚しよう

そんなセイコに俺は……ありったけの優しさと愛の言葉を捧げ続けた。


入院して ひと月が過ぎた頃には、セイコの体重は激減し、ふざけて抱き上げて その軽さに驚いた程だった。


「セイコ好きだ……結婚してくれ。」


「ええ~☆ プロポーズは もっとムードの有る所でやってほしいんだけどなあ……。」


「ああ、悪い。 じゃあ病院の先生に頼んで外出許可を貰おうか。 その代わり、エッチな所へも行くからな。」


「それは 困るわ。 じゃあ先生に逆に頼んで外出許可を出さないように しておくわ。」


「なんだあ、セイコは俺の事が嫌いなんだな。 そうだよなあ、もっとイケメンでカッコいい男が良いよなあ。」


「ううん、今はエッチな事に興味が無いだけよ。 見ように依っちゃあ、ミッくんも かなりのイケメンよ。 惚れるわあ。」


「ウソだね、面倒くさいから……イケメンだなんて。」

俺は そう言ってセイコの背中に自分の背中を付けた。


驚いた事に……言葉では いろいろ言っていたセイコが俺の背中に抱き付いてきた。


「早く私をお嫁さんにして。 でないと……私の命の火が消えちゃうから。」

そう言いながらセイコは泣き出した。


《いろいろ言いながら……本当は苦しいし、悲しいし、寂しいんだろうな。》


「明日、2人で結婚式をしよう……。」


セイコは泣きながら『うん。』と言った。

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