132.緊縛の女囚十
「さて、最後は
「何をするつもりだ!」
「何、生き恥をさらしていただこうってだけですよ。私は貴方様がたほど悪趣味でもありませんのでね。」
そう言って
不意と、それまで立ち上がろうと
「なんだこれは……。手が……足が動かねえ……。」
床に伏しながら
「もう、動けやしませんよ。指の一本も動かせませんでしょう?」
「お前、一体何をしやがったっ?」
「なぁに、四肢の腱を切らせていただいただけです。もうこれから貴方様は這いずり回るしか生きようがないんですよ。」
ゆるりと
「貴様っ!!」
激昂して
「おやまあ。まるで芋虫のようでございますね。」
くすくすと
「ぐううううううっ!!貴様ぁぁぁぁぁ!!」
「何故こんなことをする!!」
「何故?何故って……そりゃあ貴方様が自尊心が高そうですからですよ。これぐらい味わった方が貴方様にとっては死ぬよりも苦しいってものでしょう?これが貴方のしたことの
「なにを馬鹿な!!殺せっ!!」
「誰が望んでいる人を殺しますか。どうせ貴方様がたは、
「ぐうぅぅっっ……。」
「貴方は切腹も出来ずに惨めったらしく生きて行くんです。糞尿すらも垂れ流してねえ。」
一層に
「さあて……、お待たせしましたご老人。お次は貴方様ですよ。」
「お……うぉ……。」
護衛も居なくなった今、
「ひぃっ……。」
足元へと成瀬が触れたことに恐怖を感じ、
「ちぃ、そこを除け!」
逃げようとした先に邪魔が居たことで、成瀬は忌々し気に舌打ちを鳴らしたが、はたと思いなおして自らの胸元へと手をつっこんだ。直ぐ様に懐の中から取り出された手には、反尺ほどの長さをした短刀が握られていた。鞘を抜き取って鈍い光沢をした刀身を
「そんな短いものでお相手するというのですか?」
「誰がお主の相手なぞするものか。」
「では自害でもするのですか?」
「こうするのよ。」
くるりと成瀬は体を
「それ以上、
刃零れの一つもなく
微かな痛みと金属の冷ややかな感触が肌へと伝わってきて、
「っ……!!」
僅かでも体を動かせば、
きゅっと身を固めて恐怖に
成瀬へと向かい歩みかけていた
「貴方。」
それは酷く冷ややかな声だった。
「貴方。そんなことをして、どうなると思います。」
その
その余りに低く恐ろしい口調に、成瀬はびくりと肩を震わせてしまい、思わずぐっと刃先を
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