82.結城と石動十六
「そうですよね!?
どこか熱を帯びた声を上げると
それはどうにも言うに止まらぬと言った恰好で、ぐっと掌を握りしめた
おやっと
「きょ、局長。やめてください、私なぞ……そのように言われる人間ではありません。」
「何言っているんですか。
すっごいの「す」の部分に妙に力を籠めて
「……どうしたんですか?
そんな彼女の様子を不思議がって
「な、なんでもありません……。」
「でも……なんか変ですよ、
「何でもありませぬから。だ、大丈夫です……。」
言いながら
「
言われたことの意味が分からずに、
「え?どうしてですか?」
本当に無垢な表情で少女が尋ねるのを、
「この世には褒められるのが苦手な人もいるのですよ。そう褒めても、彼女を苦しめるだけです。」
「そういうものですよ。」
と、告げると、彼女はそのまま素直に「そう言うものなのですか」と素直に頷いていた。育ち柄なのか生来の人柄なのか、今話している分には
「それで、話を戻しますがね。
「十一の時です、今は十二になりました。」
「十二ですか……。いやはや祖父が偉い方とはいえ、組織の長としては、随分とお若くていらっしゃる。失礼ながら幼すぎると言っても良い程です。」
「本当に失礼な奴だな。」
視線を上げてみると、先ほどまで顔を真っ赤にしていたはずの
「局長は、十二だろうが、御幾つだろうが完璧だ。」
至極真面目な顔で、背筋をいやに真っすぐ伸ばしながら、どうにも身内びいきとしか思えない事を
その傍らで、全くをもって
「私は……私自身も、こんな幼い私が一番上で指示してるなんていいのかなって思います。
手に取った煎茶を一つ飲みながら、
「何を仰いますか。局長はちゃんとされております。皆もそれを分かっておりますから、自信を持ってください。」
「みなさん、そう言ってくださるんですけれどね。」
確信が持てないのか、どこか不安げに言いながら手元にある大福をじっと見つめると
そんな
「隊員の方達から慕われているんですね。」
「みんな、あんまり言うことを聞いてくれませんし……。昨日だって、覚えていますでしょう?
「
語る
「なんで、あんな暴れ者が隊長をやっているのか……。」
と、誰に言うでもないような様子で言葉を吐いて、やれやれと溜息をついていた。
その一方で、
「そう言う
どこか不満げに口を尖らせて拗ねたように言う
「あ、あれは、局長の身の安全を考えてのことで……。」
どこかあわあわと慌てた様子で、両腕を左右に振らせると、慌てて
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