第42話 兄妹

 ……1時間後……



「3人共!」


 舞姫と唔天が部屋に入るが、そこには誰も居ない。

 焦った2人は奥のカーテンを捲る。


「はぁ……。驚かさないでよね。」


 3人はベッドで眠っていた。真梛羅を守るように2人が両サイドで真梛羅の方を向いて腕を交差させて眠り、真梛羅は真梛羅の上で交差されている2人の腕先の手を右手で孔醒の左手。左手で夏雅璃弥の右手を握って眠っていた。


「兄弟の事は憶えてたみたいだな。」

「丁度良い所に。」

「「炎轟。」」

「様子見で2、3日入院したら退院しても良いらしい。」

「良かった~……。」


 孔醒が目を覚ます。


「孔醒!」



 孔醒は驚いて真梛羅を抱き寄せる。それに連動して夏雅璃弥も真梛羅に抱き寄り、真梛羅は手を握る。


「大丈夫、この人はお前の知り合いだ。」


 孔醒は手を離して起き上がる。


「ごめん、驚かしちゃった💦私は舞姫。」

「舞、姫……。」

「何か憶えてるか?」

「ぐっ……。」


 孔醒は頭を抱えて呻く。寝ているはずの2人も苦しむ。


「3人共!?」

「医者呼んでくる!!」



 ……10分後……



「どうですか……?」

「凄い、もう記憶が戻り掛けている。」

「「「!」」」

「このペースで行けば2日以内には戻る。」

「巡査!」

「おう♪」

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