第27話 絶体絶命

 夏雅璃弥の方は少しずつ白くなっていく。


「何で、何で……!!」

「真梛羅――――!!」

「孔醒!!」

「血が足りてないんだ、早くしないと死ぬ……!!」

「っ……!!香錬、私を吸血鬼に出来る!?」

「えっ……?で、出来る、けど「じゃあ早く!!」

「どうなっても知らないよ!!」


 香錬が真梛羅の右首元に噛み付けば真梛羅は座り込み、苦痛の籠った叫び声を上げる。


「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!」

「な、何したんだ……!?」

「私の中の吸血鬼の血を流し込んだの、吸血鬼の血は他の生物にとっては猛毒……。真梛羅が耐えれるかどうか……。失敗したら、死んでしまう……。」

「「「なっ!?」」」

「じゃあ何で使ったの!?」

「これしか彼を救う方法がないからよ!!ここに輸血する為の道具はないし、同じ種族で同じ血液型じゃないといけないからよ!!」

「っ……!!」


 真梛羅は立ち上がり、口移しで夏雅璃弥に竜の血を2分間流し込み、離れれば夏雅璃弥の頬に赤みが戻り始める。


「良かっ、た……」

「真梛羅!!」

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